元なでしこジャパンのFW永里優季（33）が、男子のチームに移籍した。10日、米女子サッカーリーグ（NWSL）シカゴ・レッドスターズから神奈川県2部「はやぶさイレブン」への期限付き移籍が発表された。契約期間は今年末までで背番号は「17」。永里は厚木市で入団会見を行い、かねて夢見ていた男子チームでの挑戦に意欲を示した。

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実力や精神面を考えても、永里にしかできない決断だ。戦うのはJ1から数えて8つ目のカテゴリーだが、局面での競り合いは激しく、けがの危険性もある。女子代表合宿に男子大学生を呼んだ際も、主に行うのはセットプレーの競り合い確認や時間を短くしたゲームで、強度を落としていた。それでも永里は「チームメートが女子で相手が男子という環境と、男子の中に女子が1人入るのはまた状況が違う」と冷静に語った。はやぶさイレブン幹部も「対戦相手次第だが全然やれると思う。途中投入も面白い」と期待を込めている。周囲が力強さと速さのある男子に変われば、永里の新たな才能が引き出される可能性もある。数々の名選手を輩出した日テレの関係者が「今まで見た中で最高はやっぱり永里」という逸材。

本人が強みに挙げた1タッチゴールなど、女子にはないパススピードや展開の中で生きる部分もあるはずだ。コロナ禍で無観客となったリーグ戦も地元テレビ局の中継やネット配信で公開する動きも出てきているという。大きなハンディをはね返した先に永里の新たな姿が見えるかもしれない。【なでしこジャパン担当＝松尾幸之介】