バドミントンは史上最強の布陣で東京五輪に臨むが、いまひとつ波に乗りきれていない。29日にはダブルスで男女ともに4強入りを逃し、期待のメダルに届かなかった。 女子・広田「福島先輩に感謝」 世界ランキング1位でメダルが有力視された福島由紀(28)、広田彩花(26)組は中国ペアに敗れ、女子ダブルスの日本勢の連覇はならなかった。大会前に痛めた右膝に頑丈なサポーターを着けてコートに立った広田。「最後までやり切ってくれてありがとう」「幸せでした」。目を真っ赤に腫らした2人は抱き合い、互いに思いを伝えた。 熊本のバドミントン一家に生まれた広田。地元の玉名女子高を卒業後、実業団へ。そこでダブルスを組むことになったのが1学年上の福島だった。高校時代に対戦経験はあったが、歯が立たなかった。広田の母、総子(ふさこ)さん(56)は「まさか福島さんと組むとは思わず心配だった」と振り返る。 家族の心配をよそに、「フクヒロ」ペアは大きく羽ばたいた。世界のトップクラスと互角に渡り合う姿に「娘のようで娘じゃないみたいな、不思議な感じ」と話していた総子さんは、時折、他愛もない電話をしながら娘の挑戦を見守ってきた。 右膝の前十字靱帯(じんたい)を痛めたのは、五輪を目前に控えた6月。それでも2人の覚悟は揺るぎない。広田の動きが鈍くなった分は、福島が懸命にカバーした。 「一人ではここまで来られなかった。福島先輩には本当に感謝している」(広田)。フクヒロの壮絶な挑戦が終わった。 男子ペア 互いに「ありがとう」 男子ダブルスの園田啓悟(31)、嘉村健士(たけし)(31)組はペアを組んで15年超。互いを知り尽くす「ソノカム」の五輪は、強豪のインドネシア000800のペアに敗れ、8強で終幕した。幾多の困難を乗り越えてきた2人でも、世界の壁は高かった。 出会いは熊本県立八代東高。ゲームを組み立てる力に優れた嘉村と、素早い反応と強打が武器の園田。指導した権藤浩二監督(59)は「高校生は試合で成長を感じるものだが、あの2人は成長じゃなくて『進化』だった」と振り返る。 高校卒業後、嘉村は早稲田大、園田は地元の実業団と別々の道へ。2人の将来に大きな可能性を見いだしていた権藤さんらは、国体に卒業校の都道府県から出場できる「ふるさと選手制度」を使って嘉村を呼び戻し、ペアを復活させた。 2人は離れていた時間を感じさせない連係をみせ、2年目には全日本王者ペアを撃破。園田の移籍先に嘉村も入社すると、ソノカムが本格的に再始動した。 ともに身長169センチと小柄だが、体格差を技術とコンビネーションで乗り越えてきた2人。五輪での敗退後、互いに掛け合いたい言葉として「ありがとうの一言」と口をそろえた。(鈴木俊輔)
からの記事と詳細 ( 2人だから戦えた大舞台 バド複、日本勢メダル逃す(産経新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/3rKQ3cj
No comments:
Post a Comment