東京オリンピックは第10日の1日、バレーボール男子の1次リーグ最終戦が行われ、日本はイランに3―2で勝った。3勝2敗となり、1992年バルセロナ五輪以来、29年ぶりの決勝トーナメント進出を決めた。1次リーグは12チームが2組に分かれて争い、各組上位4チームが3日から始まる決勝トーナメントの準々決勝に進む。
勝った方が決勝トーナメントに進むアジアのライバル・イランとの一騎打ち。第5セットの14-13。日本の運命を決めるトスを託されたのは、左のエース・西田有志だった。「(トスが)上がってくると予想していた。信じて(助走に)入るだけ」。バックライトから高々と跳び上がると迷うことなく左腕を振り抜き、相手コートにスパイクを突き刺した。両チーム最多となる30点目が2時間37分の死闘に決着をつけ、絶叫した。
西田にとって、綱渡りの末にたどりついた五輪だった。5月に右足首を捻挫。6月中旬に実戦復帰したものの、6月下旬には左太ももが肉離れ。五輪まで時間がなく、休まず練習を続けるしかなかった。
そのせいか、ジャンプ力がなかなか戻らない。身長186センチとアタッカーでは日本代表の中で最も小柄で、思うように跳べないのは致命的だった。それが五輪初戦の翌日の練習から調子が上がり、2戦目以降はベストに近い動きを見せている。西田は「今も100%ではなく痛みは残っている。五輪なので体を酷使しても戦い切る」と語り、中垣内祐一監督は「涙ぐましい努力をして、何とか西田が(好調時の状態に)帰ってきた」とたたえる。
バレーボール男子日本代表は、92年バルセロナ五輪で決勝トーナメント進出を果たしたが、それ以降の五輪出場は1次リーグ全敗だった2008年北京五輪のみ。止まっていた時計を動かす大きな1勝に貢献し、「素直にうれしい。自分がプレーをしていて鳥肌が立つ試合は初めて」と興奮を抑えきれなかった。
世界の上位8チームしか出られない決勝トーナメントへ向け、「まだベスト8なのでこれから。自分たちのバレーを知ってもらうために、しっかり戦っている姿を見せたい」。勢いに乗ったまま、もう一つ上の舞台に挑んでいく。【小林悠太】
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