長きにわたる新型コロナウイルス禍は、私たちの日常を変容させた。さまざまな局面で自粛が求められ、思うままにならない生活が続いている。それでも、自らの信念にこだわる人がいる。そうであるがために、もがき苦しむこともある。彼らは何を思い、何に突き動かされるのか。それぞれの胸中を尋ねた。
「もう一本撮らんと死ねんだろ。このままじゃあ、バカみてえだろ。マジにそう思うよ」
日本映画史に燦然(さんぜん)と輝く「青春の殺人者」「太陽を盗んだ男」を三十代前半で相次いで発表、次回作が待ち望まれた「伝説の監督」だが、長谷川和彦(76)は四十年以上、映画を撮っていない。
デビューは鮮烈だった。初監督作品「青春−」は高い評価を受け、一九七六年のキネマ旬報(キネ旬)日本映画ベスト・テンで一位に輝いた。主演の水谷豊、原田美枝子はともにキネ旬の主演賞を獲得した。
三年後に発表した「太陽−」は二位。こちらは、二〇一八年にキネ旬が選んだ「一九七〇年代日本映画ベスト・テン」で一位に選ばれた。両作品は発表から四十年以上たった今も、映画ファンの間で語り継がれる名作だ。
しかし、それから長谷川は一本も映画を撮っていない。むしろ、...
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