「息をゆっくりと吐きます。呼吸が海の波の音とシンクロします」
二〇二一年十一月、大阪府高槻市の交流センター。森田ゆりはいつものように、集まった生徒十五人に向き合っていた。森田が考案した「アロハ・ヒーリング・ヨーガ」のクラス。十年前、米ハワイ島でヨガを学び、虐待や家庭内暴力(DV)のトラウマ(心的外傷)を抱える子どもや大人たちにも取り組みやすいプログラムを作った。
海にまつわるポーズを多く取り入れ、人間の歩行の要の「大腰筋」をイメージしながら呼吸する。「トラウマの身体反応はフリーズすること。内臓や生殖器を守ろうと胎児の形に凍結する時に働くのが、この大腰筋です。トラウマを記憶する筋肉とも言われています」
「身体がぽかぽかする」「全身の活力がみなぎる感じ」。七十分のクラスが終わると、森田の周りには参加した女性たちが明るい声で駆け寄った。
森田は横浜生まれ。早稲田大の学生だった一九七一年、成田空港建設に反対する三里塚闘争の少年行動隊支援に加わった。「あのころは、世の中の欺瞞(ぎまん)や不正への怒りだけだった。怒りをバネに、社会を否定して生きていた」
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