生物の繁栄と知能の高さは直結しているのか? なぜ知性だけでなく、意識が進化したのか? 脳の大きいネアンデルタール人が滅んだのはなぜか? 人類が本当に賢いかどうかを考えると、このように様々な疑問が浮かび上がってきます。
- ヒトの脳が大きくなったのは、植物が進化したおかげだった
- 食料獲得の本当の主役は、オスではなくメスだった
- 直立二足歩行をしていた生物は、人類以外に何種も存在した
- ヒトが文明を生み出すことができたのは、気候環境のおかげ
上記は、本書内で語られる内容の抜粋です。植物が進化したおかげでヒトの脳が大きくなったことや、人類以外にも直立二足歩行をしていた生物がいたことなど、ここで初めて知るという方も多いのではないでしょうか。これらは最新の人類史研究によって明らかになっている、まぎれもない事実です。私たちの祖先がたどった道のりを、脳の進化からひも解きます。
本書は、前後半で2部に分かれています。前半の第1部「智慧の実はどこにあったのか」では、私たちヒトが抱いている共通祖先の認識、初期霊長類の謎、樹上生活における知性の進化、直立二足歩行の真実などを中心に話を展開します。後半の第2部「進化にとって意識とは何か」では、ヒトの脳の構造や、ヒトと機械の違い、知性や意識と脳の関係について、具体的な事例を挙げながら解説します。
本書は先に挙げた疑問に対して、新鮮な驚きを与えてくれます。また、著者の関連書籍である『絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか』、『残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか』(ともにNHK出版、既刊)をあわせて読むと、人類史への理解がさらに深まることと思います。ぜひ本書を読んで、私たちの祖先が辿ってきた進化の過程を学んでみませんか。
更科 功 (さらしな・いさお)
分子古生物学者。1961年、東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。民間企業を経て大学に戻り、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は分子古生物学。現在、武蔵野美術大学教授、東京大学非常勤講師。『化石の分子生物学――生命進化の謎を解く』(講談社現代新書)で、第29回講談社科学出版賞を受賞。著書に『絶滅の人類史――なぜ「私たち」が生き延びたのか』『残酷な進化論――なぜ私たちは「不完全」なのか』(ともにNHK出版新書)、『ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか――生物の死 4つの仮説』(新潮選書)、『若い読者に贈る美しい生物学講義――感動する生命のはなし』(ダイヤモンド社)など。
- 『禁断の進化史 人類は本当に「賢い」のか』 目次
第1部 智慧の実はどこにあったのか
第1章 存在の偉大な連鎖
第2章 樹上生活の始まり
第3章 木の上で知性は育った
第4章 なぜヒトはよく眠るのか
第5章 直立二足歩行の真実
第6章 個性と自然淘汰
第7章 類人猿を超えて
第2部 進化にとって意識とは何か
第8章 不可解な脳
第9章 意識を見つける
第10章 デジタルカメラは生きているか
第11章 ヒトと機械の違い
第12章 進化最大の謎に迫る
終章 愚か者たちの楽園
おわりに
- 商品情報
『禁断の進化史 人類は本当に「賢い」のか』
著者:更科 功
出版社:NHK出版
発売日:2022年12月12日
定価:1,023円(税込)
判型:新書判
ページ数:256ページ
ISBN:978-4-14-088689-2
URL:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000886892022.html
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4140886897/
▼著者既刊
『残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか』
著者:更科 功
出版社:NHK出版
発売日:2019年10月10日
定価:880円(税込)
判型:新書判
ページ数:224ページ
からの記事と詳細 ( 私たちは「バカ」だから繁栄できた? 人類の歴史を辿り、「知性」の秘密を解き明かす『禁断の進化史 人類は本当に「賢い」のか』が発売 - PR TIMES )
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