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Saturday, December 10, 2022

体操の谷川航・翔兄弟インタビュー「一緒だから頑張れる」夢はパリオリンピックで金メダル - Olympics

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2022年10月〜11月にかけて英リバプールで行われた世界体操選手権で、橋本大輝神本雄也土井陵輔とともに日本代表メンバーとして出場し、日本男子のパリオリンピック出場権獲得に貢献した谷川航

2019年大会に続き、2度目となった兄弟そろっての世界選手権は、ふたりが夢見る「パリオリンピックでの金メダル」に1歩近づいた瞬間だったといえるだろう。大会直後のリバプールで、谷川兄弟はそろってOlympics.comのインタビューに時間を割き、子ども時代の記憶とオリンピックへの思いについて語った。

ふたりでずっと一緒にいた記憶

兄の谷川航は1996年7月生まれの26歳。一方、弟の谷川翔は1999年2月生まれの23歳。航は6歳のときに体操を始め、その2年後、兄の背中を追うようにして翔が体操の扉を開いた。

仲が良いことで知られるふたりは、どんな子ども時代を過ごしたのだろうか。ケンカした記憶や楽しかった思い出は?

「すごい大変だったんですよ。毎日練習があって、小学校のときとか休みがなくて。学校から帰ってきてすぐ(練習に)行って、夜9時とか10時とかまでやって。だからケンカする暇もないくらいずっと練習してて、帰ったらすぐ寝るだけ。だから楽しい思い出はあんまり思いつかないですね。ある?」

「何だろう…。お兄ちゃんの方が先に体操を始めてて、僕としては追いつこう追い抜こうみたいな、ライバル的な感情を持ってたのかもしれないです。たぶん、お兄ちゃんも弟に負けてらんねえよっていう気持ちだったと思うけど、ふたりでずっと一緒にいた記憶はある。一緒にチャリで(練習に)行って、一緒に帰ってきてみたいな感じだった」

千葉県船橋市出身のふたりは2学年の差はあるものの、千葉の船橋市立船橋高等学校、順天堂大学へと進学し、現在はふたりともセントラルスポーツに所属する。

常に一緒に体操に取り組むがゆえに窮屈に思ったりすることはなかったのか。そんな意地悪な質問をしてみると、航は「そういうのはないですね」と迷いなく答え、こう続けた。

「一緒にやった方が僕的には楽しいし、負けたくないって気持ちもあるし、頑張れる原動力にもなる。一緒に頑張っていこうよっていう感じ。お互いが頑張って成績を残すのを家族も喜んでくれるので、そういった面でもふたりでいい結果を残していきたいなっていう気持ちが強いです」

そんな兄の言葉に頷く翔は、兄の性格についてこう語る。

「お兄ちゃんっぽい。僕が知ってるお兄ちゃんは、これがお兄ちゃんなので、そのまんまの感じ。優しくて結構心配してくれる。『翔、これできてる?』みたいな」

このコメントに照れながらも納得の様子で軽く頷く兄。さらに弟は続けた。

「あとは意外と面白キャラ。(その一面を)なかなか出してくれないので、それが見られたときは結構レア」 

弟の答えを聞いてニヤリと笑みを浮かべた兄は「面白キャラ…」とつぶやき、弟の性格をこう分析した。

「おふざけキャラというか何だろうな、場を和ませるというか、人懐っこいというか。誰にでもフレンドリーにいけるタイプだなっていう感じで。あと、よくしゃべるので、僕の逆」

オリンピックの夢

ふたりの夢は一緒にオリンピックに出て金メダルを獲得すること。その夢はいつ芽生えたのか。

「(体操を)始めたときから、『やるからにはトップを目指してやる』という感じの指導を受けてきたので、オリンピックに出るというのが自然と目標になっていました」

「僕も気づいたらオリンピックを目指していた感じだと思います。

ふたりが体操を始めた頃といえば、2004年のアテネ・オリンピックで男子日本代表(米田功水鳥寿思鹿島丈博冨田洋之塚原直也中野大輔)が団体総合で28年ぶりに金メダルを獲得した。

「アテネ・オリンピックは、僕が4歳か5歳ぐらいなんですけど、あんまり記憶にはなくて、その頃はすごいってただ思ってただけというか。かっこいいなぁと思ったかもしれないんですけど。で、北京オリンピック(2008年)、ロンドン・オリンピック(2012年)になって、だんだん自分も体操にのめり込んでいって、オリンピックへの思いも強くなっていた感じです」

徐々に膨らんでいったオリンピックへの夢。航はリオ2016オリンピック後の2017年に初めて代表入りし、翔は2年後の2019年の世界選手権で初代表入り。同年の世界選手権に兄弟そろって出場した。

だが2021年の東京2020は、航がその切符をつかみ、翔はテレビ観戦。東京オリンピックを通じてそれぞれ異なる体験を積んだ。

航にとっての東京2020は、「団体で銀メダルっていうすごい悔しい思いをして、個人では個人総合とか跳馬の種目別を狙っていて、(決勝に)出られなかった」と、悔いの残る大会となった。

「悔しい思いをたくさんして、失敗しないことの大切さを改めて思い知ったし、あと着地でしっかり止めるということとかも(大切)。今回(世界選手権に向けて)それを生かして準備してきたんですけど、まだ足りないものがあった。自分に必要なものを探し続けて練習していくことで、オリンピックだったり、世界選手権で結果を残せるようになると思う」

反省を口にする航だが、世界選手権では個人総合の予選で橋本大輝を抑えて首位で決勝進出を決め、決勝での結果は3位。自身初の個人種目でのメダル獲得となるなど、パリへと続く階段を着実にのぼっている。

「僕は東京オリンピックを逃して、お兄ちゃんが出て、それをテレビで見てて。まず『悔しい』っていう気持ちと、出たかったっていう気持ちが一番ある。東京オリンピックの代表選考を通じて、ケガをしないように体づくりをして、試合で(自分の演技を)しっかり出すというのが課題だと実感した」

翔は東京オリンピック代表選考会を通じて認識したこの課題と向き合い、「この1年ぐらいでフィジカル的な面で成長した」と認めた一方で、2022年の世界選手権でのパフォーマンスを振り返り、こう付け加えた。

「(世界選手権)団体決勝のあん馬を振り返ると、まだまだ全然。(でも)あの失敗がなかったらこのままでいいんだって思ってしまっていたかもしれない。何かまだ変わるチャンスというか、もうひとつ成長するチャンスという風にプラスに捉えて、パリに向けてまたやっていきたいなと思っています」

インタビューの最後に、ふたりは改めてオリンピックへの思いを語り、声をそろえてこう宣言した。

「夢はパリオリンピックで金メダルをとること」

2024年夏のパリオリンピックまであと1年7ヶ月。男子日本代表はすでにパリ2024の出場権を獲得したが、国内代表選考会で代表の座を掴まなければ、その舞台に立つことはできない。

これからの期間、谷川兄弟がそれぞれの課題とどう向き合っていくのか。2人の成長を見届けたい。

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