フランス検察当局は19日、自動車大手ルノーの前会長カルロス・ゴーン被告が会社資金を不正使用した疑惑を巡り、会社資産乱用や背任などの疑いが強まったとして、より権限のある予審判事に捜査の指揮を委ねたと発表した。捜査は着手から約1年を経て本格化した。

予審判事の捜査権限は検察より大きく、容疑者拘束を命じたり、国際手配を行ったりできる。

発表によると、犯罪の疑いがあるのは、ルノーから中東オマーンの販売代理店「SBA」への不審な支払いや、ルノーと日産自動車の企業連合統括会社が被告の個人的利益のために行った疑いのある「数百万ユーロ」の支出。乱用した会社資産に関してマネーロンダリング(資金洗浄)を行った疑いや、容疑の罪名として隠匿、文書偽造などにも言及した。

犯罪が疑われる行為のあった期間は2009年から今年に及ぶとしている。検察は今月12日付で本格捜査を開始したが、容疑者名はまだ特定していない。

ゴーン被告の弁護士は地元メディアに「判事に対し私たちの説明を行う」と述べた。

検察当局は昨年2月、日本当局からの司法共助要請による情報提供を受け、ルノーとSBA間の資金の流れについて調べ始めたという。

一方、ルノーは同月、ゴーン被告が16年にベルサイユ宮殿で結婚披露宴を開く際に会社資金を不正使用した疑惑を当局に通報。昨年7月にはオランダに拠点のある連合統括会社で行われた調査の報告書も提出した。

不正の疑いのある統括会社の支出は、航空機による移動での過剰支出やイベントへの知人招待の出費などで、計約1100万ユーロ(約13億2千万円)に上るとされた。(共同)