13日、大雨をしのぐため東京都庁の屋根のある場所で、野宿者らに食料を配っていた支援団体が、「使用許可を取っていないから」と都庁職員から退去を求められた。コロナ禍で困窮者が急増し、こうした食料支援の需要は増えており、団体側は「非人道的だ」と反発している。 (片山夏子)
生活困窮者の支援者・団体の集まり「新宿ごはんプラス」は、六年ほど前から都庁近くで月二回、食事の提供をしてきた。コロナ禍で生活困窮者が増え、四月からは認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」が合流。毎週土曜日に弁当や集めた食料を配布している。
いつもの場所で配布していたが、雨のため、待っていた野宿者ら約百六十人は都道高架下にいた。そこへ二人の都職員が現れ、「ここは都庁の敷地だ。ルールだから駄目だ」と敷地から出るよう繰り返し求めてきた。
これに対し、「新宿ごはんプラス」の大西連共同代表は「これだけ多くの人が来ている。人道的な観点からも大雨の中で並べと言うのはどうか」「今までは黙認されてきた。判断を変えたのか」と反発。結局、食料提供は最後まで行った。
大西氏は「コロナ禍で失業したり住まいを失った人が急増した一方で、感染防止のため炊きだし中止になった場所が多く、都庁での食料配布に殺到する。以前は毎回六十〜八十人だったのが四月に百人を超え、大型連休後は多い時で百八十人を超えた」と説明する。
六年間、これほどうるさく注意されることはなかったという。「規則は分かるが他に配布できる場所もない。目の前の命を救うことが、優先されるべきではないか。来週以降も活動を行う」と大西氏は言う。
都総務課の警備担当者は「無許可で都庁敷地内で活動することは、庁内管理規則で禁じられている。ここ何回かは晴れた日も敷地内に入るのが常態化しており、毎回注意してきた。活動そのものは否定しないし大変だと思う。排除はしていない。注意してお願いするしかない」と述べた。
立教大大学院の稲葉剛客員教授(居住福祉論)は、東京五輪招致が決まったころから、都や区の公園管理が厳しくなったことが背景にあるとみる。「五輪に直接関係ない公園まで整備され、夜間封鎖されたりして、炊きだし場所や野宿者の居場所が狭められてきた」
コロナ禍により困窮者が急増しているのは明らかで、本来は都が積極的に住宅や生活支援をするべきなのにしていないと指摘。「むしろ民間団体に協力して、その人たちに必要な支援をすべきだ」と語る。
高千穂大の木村正人教授(社会学)はコロナ禍で家や仕事を失った人のために、災害救助法にのっとり食事と寝る場所を提供する公的避難所をつくるべきだと主張。「本来すべきことをしていないのは行政の不作為。それを行っている民間を、規則だと排除するのはあまりにひどい」と憤る。
木村氏は公園は平時でも困窮者の避難所になるべき場所だと言及。だが近年ベンチに仕切りを作るなど、野宿者の排除が進んだとする。
「以前は都庁の屋根のある場所で休日、雨をしのぐのは黙認されてきた。それもここ二、三年厳しく言うようになり、都内で屋根のある逃げ場が無くなってきている。一方で、屋根を求め、都が管理する無料低額宿泊所に入っても、貧困ビジネスのえじきになる。困窮者のために休日など人のいない公的な場所を使うのが、人の命の前にそれほど問題なのか」
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野宿者への食料配布、都庁「敷地利用×」 コロナ禍160人に退去迫る 「大雨でもルールだから」 - 東京新聞
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