いよいよ年末の繁忙期を迎える。12月は交通量が増えるため、比例して事故が増加することは体感的に誰もが知っているはず。警察庁が今年9月に発表した、平成27年から令和元年までの交通死亡事故の月別の件数でも、10月から12月が1年で最も増える傾向にあり、特に12月が最多だった。
トラックドライバー情報サイト「ブルル」はこのほど、ドライバーを対象に「安全運転で日々心掛けていることはあるか?」というアンケートを実施。回答した143人のうち、「ある」と答えたのは93%に上り、安全運行に対するプロドライバーの意識の高さがうかがえる結果となった。
「初任研修で習ったことを常に念頭に運転している」「流れに乗って走り、車間距離を保持する」「『焦らない、慌てない、イライラしない』を心掛け、譲り合いの心を持って走る」など、基本を大切にしているという声が圧倒的多数を占めた。「日々、事故を起こさない、起こされない防衛運転を心掛けるのに尽きる」という声も。

さらに、「運行が遅延していても決して焦らず慌てず冷静に運転する。一時停止場所では必ず時速ゼロkmの完全停止と安全確認。 睡眠時間は最低でも6時間以上は確保して出勤する」「ミラーとバックモニターで確認の上、降りて目視。乗る時は右回りで何かないか確認してから乗車する」「隣の車と、極力、並走しないようにする」といった具体的な安全対策を投稿するドライバーも。
多くの意見の中で、特に注意する点として、「車間距離」「スピード」「左折時」が挙げられた。「フットブレーキを踏まなくても減速できる車間距離とスピードを維持する。急いでいても対向車などが待っていれば積極的に譲る」「前車との車間距離を大袈裟なくらい多めにあける」「左折する時は歩行者や自転車、バイクなどを巻き込まないように最徐行か一旦停止して気をつけている」など。
次いで多かったのが周囲の車両に対する意見。「自分以外は全員運転に慣れていないドライバーだと思って、15秒に1回はミラーとメーターを確認している。そうすると突っ込んでこられても避けられる。おかげでずっと無事故」「周りの乗用車などは、『トイレが我慢できないのかな?』という少し余裕を持った目で見ながら運転している」「焦らずゆとりを持って運転し、乗用車は走る地雷だと思って身構えておく」「車体の大きさは心の広さと思うようにしている」といった皮肉まじりの声も聞かれた。

「自分が原因で他車にブレーキを踏ませない運転を心掛けている。 自分の行動で交通の流れを乱さない。これは、事故の原因を作らないということ」「無駄に加減速をしない。目標はテストドライバーの技術を会得すること。そうすれば荷の破損もなくなり、 スムーズに走り、曲がり、止まることができると確信している」というプロのトラックドライバーならではの意見も多く寄せられた。
一方で、「無意識に安全運転ができてこそプロではないか」という提言も。アンケートで「(安全運転で日々心掛けていることは)ない」と回答した7%のドライバーがこのような意図であると願いたい。
経営トップ「本気度示すことが重要」
大多数のプロドライバーが安全運転を強く意識していることが分かったが、それでも緑ナンバーのトラックが起因する重大事故は毎年起きている。運送事業者はどうすべきなのだろうか。
「自動車事故ゼロ社会」の実現を目指す日本事故防止推進機構(JAPPA)の伊藤健吾事務局長は、「最も重要なのは、『会社として本気で事故防止に取り組んでいるか?』ということ」と説明。「経営者・運行管理者といった方々の中での事故防止に対する優先度の高さが問われる」とし、「経営トップが本気度を示さなければ、いくら事故防止研修を実施したところで、形だけの取り組みに陥ってしまい、効果が上がらないでしょう」と指摘する。

さらに、「運送事業者の社会的使命として、安全な輸送は絶対に外すことができないものであり、プロドライバーの皆様が日々の運転において無事故を貫くことが、会社への貢献のみならず、『社会への貢献』につながっていることを実感し、『自らの仕事と会社を誇りに思える社風』を築いていくことまでが求められるのではないでしょうか」と続ける。
伊藤氏は、「その実現のためにJAPPAでは『継続性』と『効果』が重要であると考えている」とし、「継続するためには、負担が大き過ぎる、コストがかかり過ぎるなど、『無理な取り組み』にならないことがポイント」とアドバイス。「事故防止の取り組みのために、会社も管理者もドライバーも疲弊してしまっては本末転倒だから」。
また、「小さな事故やヒヤリハットを決して軽視せず、『自分は大丈夫』と『他人事』ではなく、『自分にもあり得る』と『自分ごと』としてドライバーさんが捉えられる方法を模索することが『効果』につながる」とも。
◎関連リンク→ 一般社団法人日本事故防止推進機構協会
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