コロナ禍から脱出しようとしている社会の中で、まず思いつくのが医薬品メーカーへの投資だろう。ワクチンの製造販売で大きな収益が期待できるし、実際にワクチンの期待効果を発表した企業の株価は大きく上昇している。しかし様々な投資家の目に止まって売買ラリーによる乱高下が起きやすいし、将来期待される利益が先走りで株価に反映されやすい。ではどのようなジャンルの米国株に投資すればよいのだろうか。
「医薬品銘柄が買い」とはいかない
米国内の金融政策によって、株価は上がりやすくなっている。政策に関連するジャンルであれば、さらにリターンの期待値が高いことなどは、5ページで解説したとおりだ。そもそも米国株にはどのようなジャンルがあるのだろうか。業種はGICSという分類標準に基づいて11セクターに分かれている。下表にこれらの種類をまとめた。くれぐれも特定のセクターの企業やETFに一極投入せず、複数に分散投資してほしい。それぞれの企業がどのセクターに入るかは証券会社などが提供している銘柄検索ツールで調べることが可能だ。考える順序としては「どんなジャンルの資産を、どれくらい持つか」を考えることが先決である。
■ 米国株のセクター一覧
米国の国策となる「クリーンエネルギー銘柄」は要チェック
バイデン次期大統領が発表した環境インフラ投資政策では、出遅れ感があった米国の二酸化炭素排出対策のために2兆ドルの投資を行なうことを表明しており、環境にやさしい電気自動車の製造に必要な材料の供給、動作に必要なバッテリーの開発、企業への税優遇などの施策がある。したがってエネルギーセクターのうち、環境インフラに関連する企業の株価は長期で上昇していくと考えられる。「電気自動車といえばテスラだ」と考える人はテスラの株式を毎月積み立てで購入してみてもよいが、自分の全資金を一極注入するのはリスクが大きすぎる。したがって脱炭素によるクリーンエネルギー関連の米国株ETFへの投資などで分散するのがよいだろう。
ニューノーマルの下地になる「情報技術と通信サービス」
感染予防対策や働き方改革でのリモートワークや、医療機関のリモート診療など、通信技術を使った遠隔のコミュニケーションが増えている。物流などリモートが不可能な業種があるとはいえ、物流施設で働く人数を少しでも少なくして合理化するうえでも情報技術は有効な手段だ。そのため情報技術と通信サービス、いわゆるIT企業関連のセクターは成長し続けるとみられる。5GやAI技術の活用といったキーワードで成長期待も高まる。仮に不景気になったとしてもスマホの契約を維持しなければ仕事が行ないづらいし、SNSでコミュニケーションすることもなくならない。そのためこれらのセクターは不況にも耐性があることに加えて、提供するサービスの利用者数の増加によって株価が急騰することがある。クリーンエネルギーと同じく、関連企業へ投資するETFを紹介する。
「生活必需品」が底堅く成長する!?
生活必需品セクターといえば、景気が悪い時でも人々は商品を求めて購買してくれるので、安定したセクターであることが知られている。NYダウ工業指数に選定されているプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)社、コカ・コーラ、ウォルマートの3社の株を少しずつ積み立てていくのは、米国市場として右肩上がりで成長していることからみても、戦略としてありだろう。もちろんETFへ投資するのでもよい。景気が悪くなった時のリスクヘッジとして、資金確保のために保有しておくという使い道もあるだろう。
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取材・文/編集部
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