どうすれば、社員がやる気を持って働いてくれるのか。社員が会社で実現しようとしている夢と会社の経営ビジョンが一致したとき、社員はやりがいを感じるものです。「A4一枚で作る経営計画書」を参考にしながら解説していきます。※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。
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意義は社長自身の置かれている状況を考える項目
■まず、なぜ作るかを考える ここからは、経営計画のそれぞれの項目について解説していきます。A4用紙一枚で作る経営計画書のフォーマットを参照しながら読み進めてください。 まずは1.意義の項目です。これは、経営計画を作成することに、どのような意義があるのかということです。自社の置かれた外部環境と内部環境の中で、経営計画の作成がいかに必要となってきているかを記載していきます。 経営計画は、突然作成するものではありません。経営計画を作るに至った事情があるはずです。それを文章で説明することにより、社員に経営計画のねらいを理解してもらえます。また、社外の人に会社の将来の姿を認識してもらうこともできます。この項目は、経営のトップである社長自らが、決意表明という意味合いも込めて記載しましょう。 (1)今回なぜ経営計画を作成しようと決めたか、経営計画への思いを記載します。たとえば、従来は「なりゆき経営」で業績が悪化傾向にあったが、これからは計画的な経営に転じ、将来のビジョンをもって進みたいと思った、などです。 (2)会社の過去の成長の軌跡を記載します。今まで、会社がどのような歴史をたどってきたのかをふり返りましょう。 (3)現在会社を取り巻く外部環境について、簡単に概要を記載します。 (4)会社の内部環境について概要を記載します。会社の商品力、人材力など、現在もっている会社の能力を確認します。 (5)会社の経営ビジョンの概要を記載します。長期的に会社をどのようにするのか、その将来のビジョンを明示します。 (6)会社の経営目標の概要を記載します。経営ビジョンを達成するためにどのように経営目標を立てているか、その目標を明示します。 (7)経営計画のガイドラインとして全体の構成を明記し、この経営計画を今後どのように進めていくのかについて記載します。 (8)この経営計画全体をひと言で述べるとどういうものなのか、はっきりわかるような副題を記載します。このキャッチフレーズによって、社員が経営計画を身近に感じられるようになります。 ワンポイント 「意義」の項目は、社長が自らの会社のおかれている状況、めざしていくビジョンを考える項目。 具体的行動 副次的にリンクづけできる「副題」や「経営目標」の意味や概要を説明する。
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