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Saturday, December 25, 2021

「五輪はやると決めているんだから」私が尾身会長のコロナ対応に感じた"決定的な違和感" 世間もテレビも英雄視していたが… - PRESIDENT Online

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2021年6月、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長が、五輪開催について「今の状況でやるのは普通ではないわけだ」と発言したことが話題になった。その真意はどこにあったのか。白鷗大学教育学部の岡田晴恵教授は「尾身先生は『五輪はね、組織委員会と政治の問題だからね』と私に語り、五輪に関与するつもりはなかった。先生の発言はがんばっているアピールに見えた」という――。

※本稿は、岡田晴恵『秘闘 私の「コロナ戦争」全記録』(新潮社)の一部を再編集したものです。

衆院厚生労働委員会で答弁する政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=2021年6月4日、国会内

写真=時事通信フォト

衆院厚生労働委員会で答弁する政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=2021年6月4日、国会内

「尾身先生、もう、遅いじゃないですか…」

2021年5月31日「Nスタ」は、前週28日に行われた衆院厚労委員会での尾身氏の発言を取り上げた。東京五輪とインド型(デルタ株)の流行について、「一般論として、たくさんの人が来ればインド型変異ウイルスの国内流入のリスクはあると思う」とし、五輪の開催については「やるかやらないか、正式なことはわからない。仮にやる場合、海外からの訪問者、大会関係者を含めてなるべく少なくすることが重要」と発言した。

続いて6月2日には、「感染防止を徹底するのは大会組織委員会の義務」と訴え、周囲を驚かせる発言をする。

「今の状況でやるのは普通ではない訳だ。パンデミックの状況でやるのであれば、開催規模をできるだけ小さくして管理体制をできるだけ強化するのは主催者の義務だ」

10都道府県に緊急事態宣言が出ている中、五輪の延期、または中止を求める国民世論の強くなった中での分科会会長の明言は、大きく報道された。いわゆる「尾身の乱」として、科学者の良心とマスコミや世間には好意的に評価された。

だが、私にとっては落胆しかなかった。尾身先生、もう、遅いじゃないですか……五輪開催がすでに政府の決定事項となった今になって、言うのですか? 先生は、五輪開催の可否を言う立場にはない、とおっしゃっておられましたよね……。 

「五輪はね、組織委員会と政治の問題だからね」

この1年半を振り返れば、ろくに検査体制も拡充せず、先生が理事長を務める病院ではコロナ患者をあまり受け入れず、ワクチン接種の状況は発展途上国以下にまで大きく出遅れた惨状の中で、今更何を言うのか? 検査して、感染拡大を防ぎ、経済を回す。その基本を無視したからこそ、今の自粛に頼った対策に至ったのではないか? そこに国民の疲弊の原因もあるのではないか?

ヨーロッパや米国などとは異なり、日本はウイルスの入る時期が遅かった。だから、同じ島国の台湾のように入国を厳しくし、検査を増やすことでウイルスそのものをコントロールしてさえいれば、緊急事態宣言の繰り返しに至るような状況を回避できたのではないのか? こんな状況になって、開催1カ月前に迫った段階で、いまさら五輪開催の可否に言及したところで、もう止められないでしょう?

やり切れない思いで、私は再び尾身氏に電話をかけた。

「五輪はね、組織委員会と政治の問題だからね」

やはり、関与をする気はないのだと言う。

「やると決めているんだから、感染リスクを下げることを自主的にね、まとめている。インド型もヤバいしね。そういう風にやってるの、わかって。『尾身は一生懸命やってるんだ』ってテレビで言ってね」

五輪を止める気はない、いかに自分ががんばっているかというアピールのためだというのか……。この「尾身の乱」は実に効果的だった。五輪問題は、やる・やらないの議論がぱったりと消え、無観客か・有観客かに論点が見事に移った。さらには、五輪の大会関係者を14万人から5.9万人と半分に減らす、オリンピック・ファミリーとは何か? そんな報道に移っていく。五輪問題が矮小化されていった。

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