京都市の北野天満宮近くにあるプラモデル店「北野モデルセンター」。
60年以上の歴史があり、店内には所狭しとプラモデルが山積みになっている。
人気の「ガンプラ」はそれほどなく、ミリタリーものが豊富だ。
国内メーカーだけでなく、ロシアやウクライナ、チェコの製品もそろっている。
値下げをしない代わりに、プレミア価格にもしない。
絶版品であっても定価販売を貫いている。
◇
そんな店に昨年12月、親子連れがやってきた。
親戚に頼まれた女性がプラモを買いに来て、幼稚園児の息子も一緒についてきたという。
目当ての商品を手にした女性は、我が子にも何か買ってあげるようだ。
店内を見て回る男の子。
500円ほどの商品を中心に、ガンダム、ポケモン、ワンピースと物色するが、気に入ったものはないようだ。
それを見て、店員の日下貴弘さんはこう声をかけた。
「おつかいなんやから、おじさんに出してもろたら?」
プラモの購入を頼んだ親戚にお金を出してもらえば、という提案だった。
すると、まっすぐ怪獣のプラモがある場所に向かい、箱を手に取った。
5千円ほどする、20年以上前に発売された絶版品だ。
レジで「ほんまにええもん選ばはりましたな」と女性に話すと、横にいた男の子が日下さんに尋ねてきた。
「おじさん、悲しい?」
理由がわからず、男の子に「…
からの記事と詳細 ( 20年前の絶版プラモ、手にした園児の言葉 転売が横行する今だから - 朝日新聞デジタル )
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