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Saturday, April 2, 2022

ワンコも家族の一員だから、デンマーク人必携のペット用パスポート。|世界は愉快|世界は愉快|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン) - フィガロジャポン

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写真・文/冨田千恵子(在コペンハーゲンライター)

2020年以来のコロナ禍の在宅勤務をきっかけに、デンマークではペットを飼い始めた人が増えている。ペットと言っても幅広いが、法律で登録が義務づけられているのは犬と猫で、その数を比較すると犬が約850,000頭、猫が約650,000頭と圧倒的に犬の数が多い。というわけで、今回はデンマークの「愛しのワンコ」事情について探ってみた。

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写真左から、デンマーク王室の双子ヨセフィーヌ王女とヴィンセント王子の11歳の誕生日公式フォト。皇太子夫妻宅のボーダーコリー、グレイスが産んだ子犬を抱っこ。皇太子夫妻は大型犬好き。photography: H.K.H. Kronprinsessen ©

デンマーク・ケンネル・クラブによると、2021年にデンマークで新たに登録された犬の数は79,230頭、前年比で17%の増加だという。人気犬種のランキングは、1位ラブラドール・レトリバー、2位にビション・ハバ二ーズ(以下、ハバ二ーズ)、3位がゴールデン・レトリバー。1位と3位は介助犬としても活躍する賢い大型犬として日本でもお馴染みだが、2位のハバネースは最近人気の小型犬種で、08年にデンマーク王室のヨアキム王子と結婚したパリ生まれのプリンセス、マリー妃の愛犬として紹介されて以来広く知られるようになった。長毛種の愛らしい外見と社交的で穏やかな性格が人気の理由だ。2020年までは2位がシェパードで、デンマーク人は大型犬を好む傾向があったが、都市部の成人3人に1人がひとり暮らしというライフスタイルの変化に伴い、室内で飼いやすい小型犬種の需要が増えているようだ。

220322-julehilsen-pj-pm.jpgデンマーク王室のヨアキム王子一家の2021年のクリスマス写真。マリー妃が抱いているのがビション・ハバ二ーズ。@detdans-kekongehus

ちなみにデンマークで犬を飼いたくなった場合、ペットショップでの扱いはないから、ブリーダーやシェルターのサイトで探し、アポ入れをする。子犬の場合、社会性を養うため生後8週間前の売買禁止が法律で決められており、実際に会って相性のよさそうな子を予約し後日に引き取りに行く。その際には、獣医による健康チェックと1回目の予防接種、首元へのICチップ装着が完了しており、自治体に提出する登録証を受け取る。希望すれば、EU内用のパスポートを発行してくれる。

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ペット用(と言っても、ほとんどが犬猫用)パスポート。ICチップ番号と予防接種の証明書を兼ねている。飛行機、車、電車などで国外に出る際は提示する。

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デンマーク視覚障害者協会が毎年発行する介助犬の子犬カレンダー。デンマークの介助犬のほとんどがラブラドール・レトリバー。このカレンダー欲しさに協会に寄付しているワンコ好きは多い。photography: Dansk Blindesamfund ©

このところウクライナから隣国に避難する人々が犬や猫を連れている姿が多くのメディアで報道されたが、ハバニーズも名前通り、キューバ革命時に富裕層がアメリカに連れて逃げた数匹の子孫といわれている。一時はサーカス犬などに身を落としつつも生き延び、賢くて飼いやすいことから、アメリカでも繁殖が進んだ。戦争や革命からの避難者が犬や猫を連れて逃げるのは、いまに始まったことではない。どんな時にも人間に寄り添ってくれる、尻尾がある相棒達に心からエールを送りたい。

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筆者が飼う、ビション・ハバ二ーズ。コペンハーゲンのカステレット要塞跡の公園はワンコ連れで賑わう定番の散歩コース。

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