これ、来週で終われんの?
8話と9話が2週連続の最終回展開だったもんだから、ホントの最終回はどんなことになるんだろうってワクワクしてたんだけど、最終回前の引きのエピソードがとてつもなさ過ぎて茫然。
もうあと何分かだったじゃん。あともう少しでハッピーエンドだったはずじゃん。なのに、すっごいお話に切り返して最終回につなげるんですね。とんでもないドラマ。来週、ちゃんと、終われんの?このドラマ2クールでしたっけ?(違います。4月からは石原さとみさん主演の 『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』をお楽しみ下さい)
この最終回前の衝撃は、2009年の山田太一先生脚本『ありふれた奇跡』(主演・仲間由紀恵、加瀬亮)を思い出しましたね。
ある同じ秘密を抱えた男女の恋愛劇を、その家族たちの人間ドラマを通して描いた名作なんですけど、まさに最終回前の第10話の終わり方が『アライブ』同様、腰抜かすくらいの衝撃だったんです。え?ご存じないですって?それはもったいない!絶対にネタバレなしでその衝撃を体感した方がいいと思いますので、是非FODにてご自身の目でお確かめください。そしてまさか『ありふれた奇跡』の第10話がちょうど11年前の3月12日木曜日という奇跡!もしかしたらその衝撃の瞬間のタイミングすら一致してるんじゃないかってくらい奇跡!
さて、衝撃だった薫先生(木村佳乃)の再発ですが。実は僕、先日『アライブ』の太田(大)プロデューサーにインタビューする機会がございまして、その中で若干引っかかるワードとして聞いちゃってたんですよね。
まだ9話が終わったばっかりだったので「10話の脚本、お読みになりましたか?」と言われ、「いいえ、オンエアで体感したいので読みたくありません!」ってドヤ顔したもんだから、太田Pも先の展開をネタバレしないよう気をつかって話してくれたんですけど、1個だけ…「薫先生の“さいはつ”は最初から決めていて…」って。さいはつ…?はいはい、薫先生の“再出発”ね?物語中盤で薫先生の医療過誤のエピソードが明らかになって、だけどそこから心先生(松下奈緒)と一緒に再出発するってことね…紛らわしい言い方するなー。でも、やっぱり引っかかるから、ちゃんともっかい聞き直そう…「薫先生の“再発”は最初から決めていて」…。明らかに“再発”って言ってるー!!しかも、「読みたくありません!」って言った直後に「10話が終わったら是非またお話したいです」って、おいー!完全に10話で何か起こること予言してるー!
という、ごく個人的な出来事があったもんですから、なんとなく予感はしてたんです。だけど、薫先生の再発がわかるあのラストシーンの見せ方は、僕が想像してたものと全然違ってました。
最終回前の第10話が終わる直前で、前回ちょっと嫌な予感をさせた“記念日”の場面で、しかも主題歌も流し終わっちゃった後という、いくらでもショッキング見せるお膳立ては出来てるのに、「一緒に闘ってほしい…」って二人で手を握り合い、希望が見える感じで、来週って…このドラマの良心たるや。
もちろん再発は衝撃的な展開だから、告白した瞬間にぶった切って来週!と衝撃度を増すことだってできるし、わかりやすく“ガビーン”って音が聞こえてきそうな演出にしたっていいわけなのに、だけど衝撃を与えたいわけじゃない、がんという病気をこのドラマらしく、しっかり丁寧に描きたいんですよね。なんて良心的。だから“記念日”がなんのことか心先生はちゃんとわかってたし、その為に用意した渡せなかった花束があるんですよね…。
ついついラストの衝撃で盛り上がってしまいましたが、今回の結城先生(清原翔)のお話もなんて素敵だったことでしょう。この第10話の話は、登場人物紹介の一環とか、腫瘍内科がどんな科なのか改めて提示するためにも3話くらいにやっていいお話なのに、このドラマはこれまで9話をかけてじっくり主人公の物語を丁寧に見せてきているから、何気ないとこでも、やたらとこれまでのエピソードが重なるったらなかったですよ。
大病院の息子がその進路に悩むというお話は、かなりステレオタイプで、何回も見てきたはずで、結城先生がラストに母親に言った「父さんみたいな医者になりたい」っていうセリフも、ベタベタにも程があるはずなのに、心先生と匠さん(中村俊介)と漣くん(桑名愛斗)の家族が重なって来て、やたらとあのセリフが沁みちゃいましたよ。もしかしたら、あのセリフは意図して恩田家のことを重ねてるつもりはなかったのかもしれないけど、勝手に自分で重ねちゃうんですよね。
そしてその“重なり”と言えば、もう一個、重なり過ぎてすっごく癒されたので、セリフを起こしちゃいます。
漣くん「ねえママ。ママってさ、やっぱり僕にもお医者さんになってほしいの?」
心先生「大変だからなぁ、でも漣がなりたいものになってくれたらいいよ。」
漣くん「じゃあ、パパみたいな小説家でも?」
心先生「え?」
漣くん「やっぱり嫌なんじゃん」
心先生「嫌じゃないけど、でもそう簡単には売れないんだよ。奥さん苦労するよ?」
漣くん「じゃあ僕も女医さんと結婚すればいいんでしょ?」
心先生「じゃあ、そうなるようにお勉強ちゃんとしないとね。」
漣くん「(嫌そうな顔をして)あ、遅刻する!」
心先生「こら漣!なんだその顔は!」
ああ、癒される…。このシーン、字面上でもすでにハートウォーミングな描写なのはもちろんなんだけど、心先生と匠さんのあのエピソードが重なってくるから、余計に深みが増してくるんですよね。心先生にとってはトラウマだったはずの“売れない小説家の匠さん”なのに、今や息子に笑って返すことができる…。もう心先生は乗り越えてるんですね。それを思うともう、なんだかすっごいほっこりして、癒されたんです。
来週最終回。すっごく辛そうな展開が予告されていたけど、どんなラストになるのかな?だから楽しみとかそういう次元じゃないんだけど、とにかく期待感いっぱいで来週を待とうと思います!
text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)
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March 12, 2020 at 02:00PM
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がんをこのドラマらしく、丁寧に描きたい…だから、渡せなかった花束があるんですよね - フジテレビュー!!
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