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Friday, January 1, 2021

“女だから”“男だから”の思考の癖を外すには?【ジェンダーお悩み相談室】 - VOGUE JAPAN

kokselama.blogspot.com

CASE1:パートナーに家事を任せるのに罪悪感が。“家事は女性がやるもの”という認識が自分の中に刷り込まれているのだなと、わかってはいるのですが……。

「家事は人間が生きていくための必須スキル、いわば“生活力”です。家庭内で性別役割分業を徹底していた男性が妻に先立たれて大変な苦労をしているケースは、今多く見られる現象。パートナーのためにも、お互いが経済力と生活力を身につけるべきという共通認識を」(大崎さん)。

「これはよく耳にするお悩みで、“仕事のせいで家事育児に支障をきたすと、女性のほうが罪悪感を抱きやすい”という先行研究も。まずは率直な話し合いの場を設けましょう。自分がどうしても率先して家事を行いがちなことを伝え、相手が家事への参加に対しどう考えているのかを聞いてみる。前向きな答えが返ってくれば、それだけできっと罪悪感は減るはずです。そうでなくても、どれくらいの分担比率であればお互い納得できるのか話し合い、相手が行うべきことは信頼して任せてみて」(清水さん)

CASE2:“女だから化粧をしないといけない”というのをイヤだと思っていたのに、昨今の流れで美容に励む男性をどうしても受け入れられません。

Photo: UntitledImages / GettyImages

就職活動などで「女だけが化粧必須なのはどうして!?」と憤りをおぼえたはずなのに、最近見かける化粧をした男の子に対してはモヤモヤ。

「誰にも偏見、つまりアンコンシャスバイアスはあります。自分で気づいていないものの見方やその偏りのことで、無意識で瞬時に起こるので“高速思考”とも。この方の場合は自分の中にバイアスがあるとすでに自覚していますね。それなら無理に自分を変えようと苦しむのではなく、その偏見が“差別”につながり、誰かを傷つけないよう意識しましょう」(白河さん)。

「ジェンダーレスに自己表現している男性の生き生きとした姿をインターネットなどでご覧になることをおすすめします。男らしさの固定観念を超え、“その人”の魅力に目がいくきっかけに」(大崎さん)

CASE3:海外では感じなかったのですが、“女性としての正しいふるまい”を求められる日本の生活を窮屈に感じてしまいます。

Photo: Martin Barraud / GettyImages

留学や駐在で海外生活を経験した女性に、このような感情を抱く人は少なくない。

「私が国連で働いていた頃、日本政府の代表団との会合に出席したことがありました。すると、同席していた上司や同僚に、私のふるまいが普段とまったく違うとからかわれたんです。いわく、『いつもは自分のタイミングで発言するのに、今日のあなたは大袈裟に相槌をうって最後に遠慮がちに発言しただけ。しかもかわいい声で(笑)』と。日本を意識したとたん、女性らしくふるまおうとしていた自分に驚きました。それからは、どのような場でも“女性としての”ではなく、“人としての正しさ”を意識。人としてどうありたいかを改めて自分自身に問い、自分の行動原則にすれば、自信を持ってふるまえます」(大崎さん)

CASE4:30代婚活中なのですが、どの男性とも会話がどうにもうまく噛み合わず、楽しめません。私が男性の考えを理解できないのが原因なのでしょうか?

話が盛り上がらない、ずっと相手の話を聞いてばかり、まるで面接のような質問攻め……などのお悩みに対し、プロが揃って口にするのは「会話は双方の努力で成り立つもので、あなただけのせいではない」ということ。

そのうえで、「もしご自身が婚活中だけ寡黙になってしまうなら、考えられる原因は2つ。本当は婚活もしくはその人に興味がない、あるいは男性に対し自分を抑えこんでいる。前者であれば、無理して話す必要はまったくなし。ただし後者なのであれば、なぜなのかをしっかり分析してみて」(清水さん)。

「楽しくやるには、なるべく自分を出すこと。“こんな女性が好まれるのでは?”なんてステレオタイプは演じないで。数万、数十万の中からお相手を見つけるウェブ時代の婚活は、“幅広く”ではなく、条件を“できるだけ狭く”していくのが必勝法です」(白河さん)

話を聞いたのは…
おおたとしまさ
育児・教育ジャーナリスト。中高英語教員免許、小学校英語指導者資格を持つ。広告会社から独立後、さまざまな育児・教育誌のデスクや監修を務め、非常勤講師やカウンセラーの経験も。

大崎麻子
ジェンダー・国際協力専門家。国際連合や国際NGOを通じて、世界各地でジェンダー平等の推進に従事。近年は、行政機関や民間企業と協働し、日本国内の問題にも取り組んでいる。

清水あやこ
心理カウンセラー。株式会社HIKARI Lab代表。心理ケアアプリや、臨床心理士によるオンラインカウンセリングサービスを提供しながら、筑波大学大学院 非常勤講師も務めている。

白河桃子
少子化ジャーナリスト。相模女子大学大学院特任教授、昭和女子大学客員教授。山田昌弘教授とともに「婚活」ブームを起こす。女性のライフキャリアやダイバーシティなどをテーマに、執筆や講演活動を行う。

Illustrations: Decue Wu Editors: Saori Asaka, Misaki Yamashita

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