転職後、厳しい体育会系上司の下に
A山さん(男性・30歳)は、専門学校卒業後バス会社に就職、配車業務を担当していたが、新型コロナによる経営不振で会社が倒産しリストラされてしまった。 自分に貯えがなかったため早く次の仕事先を決めたかったA山さんは必死で就職活動を行い、今年1月、建設資材の卸販売を行っている甲社(従業員数300名・大企業扱い)に転職することができた。そして営業部に配属され、仕事に慣れるまで直属の上司であるB田課長(男性・40歳)の指導を受けることになった。 B田課長は学生時代ラグビー部に所属していたバリバリの体育会系で、体つきと声が大きく、仕事はガンガンこなし、かなりの営業成績を上げていた。しかも、声が大きいだけではなく物事をスバスバと指摘し、部下への指導も厳しかった。 おとなしくてのんびりした性格のA山さんは、B田課長が迫力のある声で自分や先輩たちが叱責されるたびに怖くて震え上がり、ひどく落ち込んだ。しかし、厳しい指導や叱責は営業課全体の社員に対して日常的に行われており、先輩たちはB田課長の叱責には慣れていたので、厳しい指導を受けてしょげているA山さんに対して、 「B田課長はあんな調子だけど、いつものことだから注意されても落ち込まなくていいからね」 などと度々声をかけてくれた。それに入社して日が浅く仕事をこなせていないため厳しくされても仕方がないと、A山さん自身もだんだん思えるようになった。
執拗な「イジリ」のターゲットに
しかしA山さんがいちばん困っていたのが、B田課長の「イジリ癖」だった。 B田課長は普段は陽気で冗談を言うのが大好きなのだが、誰でもイジるわけではなく、イジった時にムキになったり困った反応をする、要するに「イジりがいのある部下」だけを標的にしていた。そして今回A山さんがそのターゲットになったのだ。 A山さんは、そんなB田課長の性格を知らずに、配属された当初、B田課長に聞かれるままに学歴や前職のこと、一人っ子のせいなのか性格がのんびりしていること、5年前彼女に振られ、その後新しい出会いがないことなど、プライベートな事柄も話してしまった。 その後、B田課長はA山さんが話したことをネタに、わざと皆の前でからかうようになった。例えば、たまたま会議中にA山さんが下を向いていると、 「こらーっ、A山! 居眠りするな! そんなにぼーっとしてるからカノジョに振られるんだ!」 と皆の前で怒鳴った。するとまわりからはクスクスと笑い声が漏れ、あまりの恥ずかしさにA山さんの顔は真っ赤になった。それを見たB田課長は、 「まあ、お前のような顔と性格じゃなかなか次の彼女は無理だよな」 などと、A山さんをイジリ続けた。 日がたつにつれて、B田課長のイジリはA山さんの性格にまで及び、 「さっき頼んだ書類の整理、まだできてないの? もう、本当にトロイんだから。そうだ、今から君のことをA山ではなくてトロ山と呼ぶことにしよう」 などと毎日何回もA山さんにからみ続けた。A山さんは「止めてください」と何度も言いかけたが、B田課長を怒らせたら怖いので言葉を飲み込み、結局ただ耐えるしかなかった。
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