だから私はダメなんだ…「職場で心を病む人」が無意識に唱えている"呪いの言葉"
職場でメンタル不調になりやすい人にはどんな特徴があるのか。心療内科医の鈴木裕介さんは「幸せな出来事も、解釈次第で『不幸な出来事』になってしまう。『だから私はダメなんだ』という思い込みは、今すぐ手放したほうがいい」という――。
※本稿は、鈴木裕介『我慢して生きるほど人生は長くない』(アスコム)の一部を再編集したものです。
あなたの人生の時間を奪う「DWD病」
あなたが自分のルールに基づいて自分の物語を生きるのを阻むもの、あなたの人生の時間を奪うものは、世の中にも、あなた自身の中にもたくさんあります。
ここではそのうちの一つ、「だから私はダメなんだ」病(DWD病)について話そうと思います。
「人生」という物語には、「出来事」の部分と「解釈」の部分があります。
「好きな人と結ばれた」「目標としていた学校に入れた」「希望していた仕事に就いた」「仕事で大きな成果を出した」というのは、いずれも出来事にあたりますが、これらの出来事は、解釈次第で価値が大きく変わります。
たとえば、あなたが「慶應大学に入りたい」と考え、一生懸命努力して、見事合格したとしましょう。
多くの人は、これを「努力が報われた、幸せな出来事」と解釈し、人生の物語における成功体験、輝かしいエピソードとして位置づけると思います。
ところが、世の中には、このような出来事さえ、「たまたま慶應大学にもぐりこめて、一時的には嬉しかったけど、そこで出会った友人たちは、自分なんかよりもはるかに優秀な人ばかりで、努力しても追いつけず、劣等感にさいなまれるばかりだった。だから自分はダメなんだ。慶應大学になんて、むしろ入らなければよかった」とネガティブに解釈してしまう人がいます。
血のにじむような努力をし、それが報われても、なかなか自分を認めることができないのです。
ネガティブな解釈は、「ゼロを掛け算する」ようなもの
その結果、どんなに素晴らしい出来事も、それにネガティブな解釈をすることによって、主観的な価値はゼロになりえます。
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