『読んで、旅する。旅だから出逢えた言葉Ⅲ』伊集院静著(小学館・1870円)
〝「コロナ禍で旅にいくこともままなりません。伊集院さんはどうお考えですか」しかし、よくよく考えてみれば、その答えも本書にあるように思える。本を読めばいいのだ〟
これは昨年6月刊行の文庫版『旅だから出逢(あ)えた言葉Ⅱ』に寄稿してくださったタレントで作家の加藤シゲアキさんの解説の一部です。当時は、ワクチン接種も進んでおらず、旅どころか、自由に出歩くことさえできず、国中が不安に覆われていた時期でした。さらに伊集院先生は一昨年、生死をさまよう大病を患われ、執筆も中断という状況でした。それにもかかわらず、シリーズ第3弾の刊行をひと言「わかった」と快諾してくださり、強く勇気づけられたことを記憶しています。
世界中を旅してきた伊集院先生が旅先で出逢い、心に響いた数々の言葉をつづった珠宝の紀行文集です。ダイナースクラブの会員誌「シグネチャー」に10年以上連載されてきた中から本書では41話を収録しています。市井の人や著名人の言葉のほか、近著『ミチクサ先生』の主人公、夏目漱石や正岡子規の俳句も取り上げられています。
昨年10月の連載再開後の原稿も収録し、スタート時から絶妙なコラボレーションが人気だった故・長友啓典(けいすけ)先生のイラストもカラーで多数掲載しました。世界を自由に旅することができるまでにはまだまだ時間がかかりそうですが、そんな時代だからこそ、読んで「旅」してはいかがでしょうか。世界は素敵(すてき)な言葉であふれています。
(小学館出版局 和阪直之)
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