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Monday, May 2, 2022

「低い山だから」と油断…コロナ下、登山客の遭難目立つ福岡 - 西日本新聞

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 新型コロナウイルスの感染拡大で屋外レジャーの人気が高まる中、九州で登山客の遭難事案が増えている。九州7県では、2019年までの4年間は140件台で推移していたが、新型コロナが広がり始めた20年は177件に増加。山中で道に迷ったり、滑落して動けなくなったりするケースがあり、低い山での遭難も目立つ。行楽シーズンに入り、警察は注意を呼びかけている。

 警察庁によると、20年に全国で発生した山岳遭難は2294件で、死者・行方不明者は278人に上る。原因は、自分の位置が分からなくなる「道迷い」が最多の44%で、悪天候や不注意による「滑落」が16%だった。

 全国的には遭難件数は前年より減ったが、九州では福岡、佐賀、熊本、大分、鹿児島の5県で増加。特に福岡県は11件増の44件となり過去10年で最も多く、4人が亡くなった。

 同県は、太宰府市周辺の宝満山(829メートル)など標高が低く、人気の山が多いのが特徴。4月11日夜には、福岡市などにまたがる三日月山(272メートル)を登山中だった10代の男性が「道に迷って下りられなくなった」と119番。消防隊が発見し、幸い無事に下山できた。

 日本山岳・スポーツクライミング協会(東京)によると、低い山での遭難は全国で相次いでいる。担当者は「低い山だから簡単に登れると油断し、準備不足の人が多い」と指摘する。

 道に迷わないようにするには、地図などを携帯して自分のいる場所を把握することが重要。近年は、山中でも衛星利用測位システム(GPS)によって現在地やルートを確認できるスマートフォン用のアプリも開発されている。

 福岡県警が呼びかけるのは、「登山計画書」の利用だ。事前に登山ルートや下山予定時刻、緊急連絡先などを記入し、警察などに提出しておけば、遭難した場合も捜索範囲を絞ることができ、迅速な救助につながる。

 だが、計画書の利用は広がっていない。県警によると、昨年、県内で遭難し救助された51人全員が提出していなかった。県警は昨年6月から、ホームページ上で手軽に計画書を作成し、オンラインで提出できるシステムを導入した。

 県警地域総務課の林朋仁次席は「予期せぬ事態を想定し、万全の準備をして山登りを楽しんでほしい」と話している。

(津留恒星)

※登山計画書(電子申請)入力フォームはこちら

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