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Monday, August 1, 2022

コロナだから「外に出ちゃダメだよ」子どもの言葉が悲劇を招く - 幻冬舎ゴールドオンライン

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コロナだから「外に出ちゃダメだよ」子どもの言葉が悲劇を招く (※写真はイメージです/PIXTA)

「お母さんは外に出ちゃダメだよ」と離れて暮らす子どもにそう言われた80代の女性は、食料や生活用品は生協の宅配で済ませ、買い物も行かず、散歩もせず、我慢していたそうです。そのうち、食欲もなくなり、記憶力が減退していきました。老人医療に詳しい精神科医の和田秀樹氏が著書『80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい』(廣済堂出版)で解説します。

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老いを受けいれられず、自分の衰えに絶望

■老後の幸せは、地位の高さやお金とは関係がない

アメリカの著名な発達心理学者で精神分析家のエリク・H・エリクソンの有名な理論に「ライフサイクル論」があります。乳児期から老年期までを8つの発達段階に区切って、それぞれの段階の「課題」や「危機」を提示しているものです。

エリクソンのライフサイクル論は、子どもや青年の発達を考えるうえで、よく取り上げられます。「アイデンティティ」という概念を最初に唱えたのはエリクソンでした。彼には青年期の自我同一性について多くの研究があります。老年期に関しては、まだ研究途上と自分でも考えていたようです。

エリクソンなど古い、という方もいるでしょうが、彼の考えたことは参考になることが少なくないと思いますので紹介します。

若いときの発達課題は省略して、「壮年期」です。壮年期は、40歳から65歳を想定しています。

壮年期の課題は、「世代性」です。次世代へと技術や知識を受け渡していく。後輩や子どもたちに自分の持てるものを渡し、ゆずっていく時期です。

危機は「停滞」といわれ、次世代への関心がなく、ひとり自己満足に陥り、自分のことしか考えていない状態です。自分はどうせ死ぬのだから、次世代がどうなろうと自己責任だ、なんて思っている人は「停滞」しているということです。次世代へよいものを手渡していくのが、私たちの務めなのかもしれないということをエリクソンは教えてくれます。

65歳以上は「老年期」となります。ちなみに、エリクソンは、1994年(平成6年)に91歳で亡くなっています。自分もけっこう長生きしたために老いについて思索が深まったようです。

現代では壮年期を70歳までのばし、70歳からを老年期にしたほうが、実情にあっていると思います。

老年期の課題は、「統合」です。死について意識する年齢になり、過去を回顧して自分を受け入れ、もう一度自分を統合していく時期です。

危機は「絶望」ということになります。老いを受けいれられず、自分の衰えに絶望します。

私は老年精神医学を専門にしており、たくさんの患者さんと出会いました。エリクソンの課題と危機はよく理解できます。人の幸せは、地位の高さやお金ではないのだなとつくづく思いました。

地位の高い方が、老年期の危機から抜けきらず、自分は不幸だ、こんなはずではないと亡くなっていく。一方、それほど華々しい人生でもないけれど、自分なりによくやったと納得し、家族にお礼を言って旅立っていく人もいます。

このエリクソンの課題と危機は、日々私の目の前で繰り返されていました。

自分を統合するというのは、自分を受け入れていくということだと思います。

後悔すること、あるいは、ああすればよかったと思うことはあるでしょう。でも、過去には戻れません。やり直しもききません。ある程度あきらめるしかないときもあります。あきらめきれないときは、できることはして、それで自分を許しましょう。

老齢期の危機である絶望を避けるために、私は高齢者と長く向き合ってきた医師としてこの本の中でみなさんに伝えていきたいことがいくつかあります。

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和田秀樹こころと体のクリニック院長
精神科医

1960 年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、国際医療福祉大学心理学科教授。川崎幸病院精神科顧問。和田秀樹こころと体のクリニック院長。「I&C キッズスクール」理事長。一橋大学経済学部非常勤講師。27 歳のときに執筆した『受験は要領』がベストセラーになり、緑鐵受験指導ゼミナール創業。主な著書に『自分が高齢になるということ』(新講社)、『年代別 医学的に正しい生き方』(講談社)、『孤独と上手につきあう9つの習慣』(だいわ文庫)、『「人生100年」老年格差』『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)など。近著に『80歳の超え方』(廣済堂出版)がある。

著者紹介

連載人生100年時代を豊かな心で健康に生き抜くための処方箋

本連載は和田秀樹氏の著書『80歳の超え方 老いは怖くないが、面倒くさい』(廣済堂出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

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