企業のデジタルマーケティングを支援するNexalが、ビジネスにデータを活用する方法やそのためのツールを解説する本連載。最終回となった今回は、アクセス解析を取り上げる。かつては主にWebサイトの改善ポイントを見つけるために使われていたアクセス解析は、現在は企業が営業活動の示唆を得る目的に応用する例が増えている。
(出所:123RF)
アクセス解析をWebサイトの改善に使う時代は終わった
Webサイトのアクセス解析は、アクセス状況を可視化するツールを使うのが一般的だ。企業や団体はWebサイトのページごとのアクセス数や直帰率(Webサイトにアクセスしたユーザーが最初に見たページからサイト内の他のページを見ることなく、サイトを離れる=直帰する率)などの指標を見て、サイトの改善ポイントを見つける。
特に2000年代、日本には企業Webサイトの標準的な設計パターンが確立されていなかった。企業がアクセス解析ツールで得られた情報を元に、自社サイトの改善点を探ることに意味があった。
ある団体の公式サイトはかつて、幹部の意向によりトップページに大半のコンテンツを掲載するという、当時としても独特な構造を採用していた。スクロールし続けてもなかなか終わりが見えない、巻物のように長いトップページとなっていた。
このサイトのアクセスを解析してみると、ユーザーの滞在時間が短いことや、サイト内検索が多用されていることを確認できた。ユーザーが不便を感じている状況を把握したこの団体は、アクセス解析から得た示唆によって、サイトを一般的な階層構造に改めた。
現在では企業のWebサイト階層構造の標準パターンが確立しており、ユーザーインターフェース(UI)や動線に独自性が強いサイトはほとんど見かけなくなった。アクセス解析で得られる結果から、サイトの構造上の問題をつかむという例は、以前に比べて減ってきたといえる。
“足跡”情報を営業のデジタルセンサーに
2000年代半ばころから先進的な企業では、アクセス解析ツールを新たな目的で活用するようになった。Webサイトに「どこの誰から」アクセスがあるかに着目し、マーケティングや営業活動のヒントにするという活用法だ。
ユーザーがWebサイトにアクセスする際には、「IPアドレス」というIPネットワーク上のデバイスを識別するための固有番号を伝える。IPアドレスは企業が固有に保有することが一般的であるため、この情報を“足跡”としてたどることで、「どの企業から」アクセスがあったかを把握できる。
この仕組みを利用すれば、例えば医療器具メーカーがある病院から自社のWebサイトにアクセスがあったことを把握して、営業担当者が病院を訪ねるといった活動が可能になる。医療器具メーカーのWebサイトにアクセスしたということは、その病院がメーカーの製品を調べる必要があったものと推測できる。アクセスをきっかけに、製品に関心を持ちそうな部門や人を「近くまで来ましたので、ご挨拶に」「情報共有させてください」と訪問し、タイミングよくアプローチするわけだ。
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