もはや日常生活に欠かせないスマホがそうであるように、現代社会には集中を妨げるツールがあふれています。その弊害は誰もが知るところですが、そうした状況下で集中力を身につけられれば、さまざまな点において他者に差をつけることができるはず。
『すぐに結果を出せる すごい集中力』(荘司雅彦 著、秀和システム)の著者はそう述べています。
「いつかは◯◯という仕事をしてみたい」「いつかは◯◯という資格を取得したい」と漠然と思っているだけでは、決して願望は実現しません。
すぐ勉強に着手することが一番の近道で、そのための基礎体力である「集中力」を身につける必要があります。(「まえがき」より)
ここでは勉強が例に挙げられていますが、もちろん仕事でも同じこと。いろいろな意味において制約の多い時代だからこそ、集中して仕事に取り組むことのできる人こそが評価され、まわりの人に差をつけることができるというわけです。
「集中を妨げるモノがあふれる時代」に、ちょっとした努力で集中力を身につけることができれば、あなたの人生は大きく変わると私は信じています。
本書は、そのためのトリセツです。本書で基礎体力をつけていただければ、どのような分野でも、驚くような成果が発揮できると確信しています。
これは、誇張でも何でもありません。ビジネスでも受験勉強でも、人間は相対的に評価されます。
その他大勢がスマホで集中力をなくしている中、あなたが集中力を会得すれば、黙っていても大きな成果に結びつくのです。(「まえがき」より)
そんな本書のなかから、きょうは「環境」に焦点を当てた第3章「集中するためには『環境』が何よりも大切だ」に注目してみたいと思います。
カフェや音楽・ラジオは集中力を奪う
カフェで仕事や勉強をしたり、ラジオや音楽を聴きながら作業をする方は多いかもしれません。が、集中できるか否かという点から見れば、それは決して効率的ではないと著者は主張しています。
たとえばカフェでまわりの人の動きに目をやったり、話し声に耳を傾けてしまったりすると、注意力はそちらに向いてしまうことになるからです。当然のことながら、ラジオパーソナリティの話や音楽に耳を傾けるときも同じ。それは、わざと気が散る環境に身を置き、別のことに気を散らせながら一定時間ただ居座っているだけにすぎないというのです。
私の経験上、カフェに教材を持ち込んでいる人や、音楽やラジオを聞きながら勉強している人の大半は、ほとんど成果が上がっていません。(中略)
短時間で決められたタスクをやり遂げるためには、当該タスクに集中することこそが必要なのです。逆に言えば、集中を妨げる情報を、できるだけ遠ざけておくことが重要なのです。
スマホ同様に、カフェや音楽、ラジオからも距離を置きましょう。(118〜119ページより)
もちろん、それが娯楽であるのであれば問題はないでしょう。しかし、スキルアップするために一定のタスクをこなすというのなら、明らかにそれは仕事です。
仕事である以上は、おもしろくもない用語や数字を暗記しなければならないこともあるかもしれません。そうした苦痛を避けて通ることができないのなら、できるだけ効果的に、短期でタスクをクリアするのがベスト。そのためには、いかに集中できるかが問われるのです。
なお、集中力の有無に能力は関係なし。集中できないのであれば、単にやり方、アプローチの仕方を間違えているだけ。たしかにそう考えると、娯楽と同じような気持ちで「音楽(ラジオ)を聴きながら」「カフェで」乗り切ろうとすることが適切でないことは理解できるのではないでしょうか?(117ページより)
どこでもいつでも集中できる環境を探す
短時間で集中する方法もさまざま。図書館や自習室などを利用するのもいいでしょうが、著者はそれら以上に「通勤時間」の有用性を強調しています。通勤時間は、簡単なタスクを行うには最適な環境だというのです。
一問一答問題集とか見開きワンセットの参考書などを用意しておくと、通勤時間だけでかなりのタスク消化ができます。
仮に、1か月に20時間、往復1時間は電車の中にいるとすれば、20時間分のタスクをこなすことができるのです。(135〜136ページより)
また、サラリーマンであれば、時間差攻撃で会社の会議室などを利用するという手もあるといいます。
ほかの社員よりも1時間早く出社して、会議室などでタスクに取り組むのです。ほかの社員が出勤していない朝のオフィスは、静かで邪魔が入らず、広々とした空間を使うことができるので、贅沢なレンタルスペースと同じです。
営業時間外であれば、電話が掛かってくることもありません。(138ページより)
あるいは、資格取得の予備校に通っている方なら、自習室として開放されている空き教室を積極的に利用するのもいいでしょう。周囲の人が勉強していると、自分自身の勉強もはかどるものだからです。
では、「自宅は子どもがいて騒がしく、自分の書斎もない、会社にも教材を持って行けない、予備校にも通っていないから空き教室も使えない」という場合はどうしたらいいのでしょうか?
そんな方に著者が勧めているのは、早朝学習です。
子どもたちが寝ている早朝に、自宅のリビングなどで勉強してみてはいかがでしょうか。「禍を転じて福となす」と言われるように、制約がかえって学習効果をアップさせることにつながります。(140ページより)
恵まれた環境下にあるよりも、制約が多いほうが知恵が働き、やる気がわいてくるもの。環境の悪さを嘆くのではなく、それをバネにして効率化を図るべきだという考え方です。(135ページより)
著者は、「役に立たない本は書かない」という気持ちで本書を書いたのだとか。つまりここには、本当に役立つと信じて疑わないことだけが書かれているということなのでしょう。集中力を高めたい方は、参考にしてみるべきかもしれません。
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Source: 秀和システム
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