人気絶頂からの転落。
1994年に全米で放送開始されたエレン・デジェネレス主演のコメディドラマ「エレン(Ellen)」は、スタート直後から爆発的人気を誇っていた。しかし彼女は、仕事と人気を失う恐怖から、自身が同性愛者であることを長年隠し続けていた。しかし1977年、「これ以上、羞恥心や恐怖心の中で生きて行くことはできない」と思い立った彼女は、「そう! 私はゲイ。(Yep! I’m Gay)」というコピーとともに、『タイムズ』紙の表紙で堂々と告白したのだ。
自分に正直になることで、背負っている重圧から自由になるための告白だった。これを機にエレンは、自身のドラマ番組の中でもLGBTQ+であることをカミングアウトし、同作はアメリカのテレビ史上初のLGBTQ+が主演を務める番組となった。
エレンの告白によって視聴率は3倍に急増し、およそ4200万人が視聴した一方で、当時、LGBTQ+コミュニティへの世間の風当たりは強く、番組は大炎上。心ない誹謗中傷や脅迫文が殺到した結果、番組は打ち切りを余儀なくされた。同時にエレンはキャリアを失い、その後3年間、仕事の電話が鳴ることは一度もなかった。みんな離れて行ってしまったのだ。
「今苦しくても、何事もそのうち乗り越えられるようになる。人の考えだって変わる。だから、それを見るためにも生きていないとね」
一通の手紙が促した再起と快進撃。
しかしある日、エレンは子どもから一通の手紙を受け取る。そこには、「自分は同性愛者です。あなたのカミングアウトを聞いて、自殺を思いとどまることができました」と書かれていた。これによって、自分にもやるべきことがあると確信を取り戻したエレンは、徐々に表舞台に復帰。2003年から続く長寿番組「エレンの部屋」は、今も高視聴率をマークし続けている。
「いったいみんな、ゲイの何を恐れているの。子どもに影響を与えること? 私は二人の異性愛者に育てられた。見渡す限り、周りも異性愛者だった。その意味で、彼らは私のジェンダーに何も影響を与えてこなかった。その人のありのままの姿を愛し、愛したい人を愛させてあげる時が来たのよ」
「誰がゲイで、誰がストレートかをなぜ気にする必要があるの? どんな車に乗っているかだけで、人を判断してはいけないの?」
2008年には、カリフォルニア州裁判所が同性婚を認める判決を下したのを受けて、女優のポーシャ・デ・ロッシとの結婚を自身の番組内で発表した。二人はお互いに、自らを「妻」と呼んでいるそう。子どもは欲しいかと聞かれたときを想定して、「すでにいるよ」と返せるように、ペットに「子ども」と名付けて笑いを誘った。
2020年のゴールデングローブ賞では、テレビを通じて業界と視聴者に強い影響を与えた人に贈られるキャロルバーネット賞を受賞。授賞式には妻のポーシャ・デ・ロッシと出席した。
エレンの快進撃は誰にも止められない。核心をついたクスッと笑える彼女の言動は、これからもLGBTQ+の権利向上や社会変化に影響を与え、人々に希望と強さをもたらしてくれるはずだ。最後に、今年のゴールデングローブ賞でのエレンの言葉を紹介しよう。
「私の番組がきっかけで、いい一日を過ごせた、辛い経験や痛みを乗り越えられたと聞くことほど嬉しいことはありません。私にとってテレビの本当のパワーとは、番組を見てくれたオーディエンスの人々に、『よりよい行いをしよう』と思ってもらえるインスピレーションを与えられることなのです」
Text: Mina Oba Photo: Getty Images
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April 07, 2020 at 06:00AM
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「人も社会も変わる。だから生きていないと!」── 名司会者エレン・デジェネレス。【社会変化を率いるセレブたち】 - VOGUE JAPAN
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