超大国アメリカでもっともリスク管理が徹底されるべきホワイトハウスで、トップのトランプ大統領とその側近たちが新型コロナウイルスに感染し、大統領の病状は一時「憂慮すべき」(メドウ大統領首席補佐官)事態とされた。しかも、再選がかかった大統領選挙の1カ月前だ。 【全画像をみる】トランプ氏に感染拡大の疑惑。討論会前に検査拒否、判明後イベント参加。バイデン氏支持率上昇【更新】 自己中心的な“独裁”とも言える政治を主導してきた張本人を失い、ホワイトハウスも大混乱している。トランプ氏だけでなく、10月4日現在(米東部時間)でホワイトハウス関係者、議員、大統領側近、担当記者も含めて感染が判明しているのは、少なくとも9人にものぼる。 トランプ氏は10月5日夕に退院、だがその後もホワイトハウスで治療は継続すると報じられている。 世界におけるアメリカへの信頼度は、株価や米ドルの急落にすぐに表れ、「トランプ氏検査陽性」の発表直後、米先物価格は時間外取引で1%以上下落した。 そもそもトランプ大統領のコロナ対策の失政により、新型コロナの感染件数は世界最大レベルだ。10月4日時点での感染者数は累計で741万人、死者は20万人を超えた。1日感染者数をみると、多くの州でロックダウンが実施されていた4月よりも、高い水準で推移している。 失業率は7.9%と最悪の月より改善はしているものの、経済の先行きには不安がある。凶悪犯罪が増加し、ニューヨーク市では8月の銃関連の犯罪が前年の2倍に達している。 まさに「ディストピア」状態で、トランプ氏の新型コロナ感染前から広がっていた混乱がさらに深まっている。
感染診断後もマスクなしでイベント参加
トランプ氏の病状については楽観的な主治医の発表とは異なり、CNNなど複数メディアは、トランプ氏が10月2日、ホワイトハウス内で酸素吸入を受けたと報道した。 アメリカでは日本と異なり、新型コロナの症状が出て陽性と判定されても、軽症・中等症では入院はできない。酸素吸入器が必要となる「重症」で初めて、入院が許されるため、「酸素吸入」は米市民にとっては、一時は死への不安さえ感じさせる言葉だ。 そもそも側近の元広報部長ホープ・ヒックス氏は自覚症状があったにもかかわらず、トランプ氏と濃厚接触していた。その後、トランプ氏は複数のイベントに参加し、関係者を感染リスクに晒した可能性が取りざたされている。直近1週間のトランプ氏の足取り(米東部時間)を振り返ろう。 9月26日 ホワイトハウス内で、連邦最高裁判事の後任にエイミー・コニー・バレッド判事を指名。後に、参加者の中から、トランプ夫妻を含め6人が陽性と判明。 9月29日 第1回大統領候補討論会に参加。民主党候補のジョー・バイデン前副大統領と討論。 9月30日 中西部ミネソタ州で、大規模選挙集会。参加者の大半がマスクせず。 10月1日 ニュージャージー州で資金集めパーティーに参加。 10月2日未明 大統領夫妻がコロナ検査で陽性と発表。 10月3日午前 主治医ショーン・コンリー氏が「72時間前に新型コロナ感染と診断した」と記者会見で発言。 コンリー氏の発言によると、9月30日日中に新型コロナと診断されたにもかかわらず、トランプ氏はその後のイベントにマスクもせず参加していたことになる。支持者と握手したり、ハグをしたことも容易に予想できる。
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