◆東京五輪 テニス男子シングルス準々決勝 錦織圭(2―6、0―6)ノバク・ジョコビッチ(29日、有明テニスの森公園) 【一覧表でさらに詳しく!】錦織の対ジョコビッチ戦 男子シングルス準々決勝で世界ランキング69位の錦織圭(31)=日清食品=は、同1位ノバク・ジョコビッチ(34)=セルビア=に敗れた。前回リオ五輪の銅に続く2大会連続メダルを目指したが、男子史上初の同一年の4大大会全制覇と金メダルを獲得する「ゴールデンスラム」に挑戦する天敵に屈した。テニス選手が五輪にかける思いを、大和田佳世記者が「見た」。 * * * 何とか勝ちたい。錦織の必死な思いが画面越しでも伝わってきた。前日に単複合計3時間9分も戦った疲労を感じさせずコートを走り回り、第2セット0―5になっても諦めなかった。しかしジョコビッチに真正面から受け止められ、はね返された。「何もできなかった」と言うほど、高すぎる壁を崩すチャンスは見えなかった。 コロナ禍での渡航不安や負傷で欠場表明が続出した時、「テニス選手にとってポイントも賞金もない五輪は価値が低い」という意見を見かけた。考えは人それぞれ。ただ暑さも隔離も覚悟で東京に来た選手たちは、国を背負う誇りを胸にコートに立っていた。錦織が疲労覚悟で単複両方で出たのも「五輪だから」。引退後のことを少しずつ考え始めているという31歳は「唯一、自分のためだけじゃない。将来夢のある人に見てもらいたい」と価値を考えていた。だからこそ「メダルを取る位置まで行きたかった。たくさん…か分からないけど応援してくれる人がいる中で、いい結果を出したかった」と悔しさがあった。 種類は違うかもしれないが、思い入れの強さは男子最多4大大会20勝のジョコビッチも同じ。唯一手にしていない栄冠を目指し、驚異的な集中力と精度の高いプレーを披露。公式戦初の混合ダブルスに出場し、メダル獲得の可能性を高める執念も見せている。 互いの思いがぶつかり合った試合は、4大大会決勝にも引けを取らないレベルの高さだった。右手首、右肘故障で長期離脱を経験した錦織に、最近は限界説が飛ぶこともある。大会前まで対トップ10に黒星続きで、以前のような「強敵に何かやってくれるんじゃないか」という期待感は、正直薄れていたが、いい意味で裏切られた。今回は相手が強すぎただけ。自分以外の人たちのための大会を通じて得た手応えを、自分のために戦う場につなげてくれるはず。トップ10復帰、4大大会優勝…。まだまだ夢を見させてほしい。(テニス担当・大和田 佳世)
報知新聞社
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