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Monday, December 13, 2021

人手不足だから「段取り軽減」 中村留が複合加工機を使いやすく - ITpro

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全1833文字

 複合加工機の段取りをさらに軽減──。中村留精密工業(石川県白山市)は、旋盤ベースの複合加工機を使いやすくする2つの新機能「ジオナビ」と「1タレットプログラミング」を開発、2021年12月8~10日に本社で開催したプライベートショーで公開した。共にワーク(被切削物)を切削する前の段取り作業の負荷を軽減しつつ、その時間を短縮する。加工現場で世界的に顕著になっている作業者不足の課題に応える。

操作盤(左)と「ジオナビ」の画面(右)

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操作盤(左)と「ジオナビ」の画面(右)

工具の形状補正の入力作業を半自動化する。(写真:日経クロステック)

 ジオナビは、工具の形状補正の入力作業(以下、補正作業)を半自動化する機能。旋盤ベースの複合加工機では、切削前に刃物台(タレット)に取り付けた工具の形状をNC装置に教示する必要がある。通常、タレットには複数の工具を付けられるが、ジオナビが現在対応するのは、12ステーション、すなわち12本の工具を取り付けられるタイプのタレットだ。

ツールセッターとタレット

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ツールセッターとタレット

(写真:日経クロステック)

 補正作業には、プローブの付いたツールセッターを利用する。まず、ツールセッターを加工室内に取り付けて固定。続いて、タレットを回転させて計測する工具を割り出した後、タレットをXYZ方向に移動させてプローブを工具に1点(回転工具の場合)、もしくは2点(バイトの場合)軽く接触させて、工具の形状を認識させる。

プローブと工具

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プローブと工具

(写真:日経クロステック)

初心者の段取り時間が45%減

 このうち、ジオナビは接触以降の作業を自動化した。作業者は、ホルダーおよび工具の種類と、それらの方向(右向きか左向きか)を操作盤に入力した後、タレットを手動で動かしてプローブに5~10mm程度近づける。これでボタンを押すと、タレットが自動で動き、工具に軽く接触して形状を認識する。プローブへの工具の当て方にもノウハウがあり、接触する際は等速で強めにポンと工具に当たり、当たったら素早く戻る。

工具のプローブへの接触

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工具のプローブへの接触

接触前(左)で緑色に点灯し、接触すると赤色に変わる。(写真:日経クロステック)

 プローブへの接触は「ベテランでも神経を使う作業」(同社)。プローブへの工具の当て方次第で、工具の形状が0.1mm程度ばらつくこともあるという。しかも、タレットを2つ搭載する複合加工機は24本(12本×2)に、3つ搭載するものは36本(12本×3)にこの作業を実施しなければならないため、手間が掛かる。工具の種類によって決まっている接触点の取り忘れのミスが生じることもある。

 ジオナビの効果は初心者ほど大きい。同社の検証では、初心者が補正作業を行った場合、ジオナビを使うと手動での作業に比べて時間を45%短縮できたという。ジオナビは操作盤「NT SmartX」に標準搭載し、22年1月以降に出荷する2タレットタイプの複合加工機「WT-150Ⅱ」から順次搭載する予定。

 中村留精密工業が開発したもう1つの新機能である1タレットプログラミングは、マルチタレットタイプの複合加工機を動かすNCプログラム作成作業を軽減する機能だ。

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