ダラダラ仕事をするエンジニアもあるきっかけで「すぐやる人」に!
「やらなければいけない仕事があるのに、なんとなくやる気にならない」ということはありませんか?「面倒なことはできるだけ後回しにしたい」と思うのが人の常ですが、実はあることをするだけで、この「怠けグセ」が劇的に改善されるのです。それどころか、実践することで自然と「仕事に追われる人」から「仕事を追う人」に――。これまで5000社以上のコンサルティングや取材を経験している、マネジメントコンサルタントの川嵜昌子さんに話を聞きました(以下、川嵜さん寄稿)。
玄関にハサミを置く人が「すぐやる人」になれる訳
「人はみんな怠け者」。余計なことをして、ムダにエネルギーを使いたくない生き物です。ここでは「怠け者であることを前提にしたセルフマネジメントのやり方」についてお話します。やるべきことを溜めないためには、‟タスクが発生するたびに即座に片づく仕組み”をつくることが大切です。日常生活の中でも常に「すぐやる」を身に着けておくと、仕事でもその「習慣化」が生きてきます。
たとえば、ポストに何通も届くDMやチラシ。玄関に溜まったままになっていませんか? DMやチラシが溜まらないためにやるべきことは、玄関にセキュリティスタンプとハサミを置くこと。届いたDMはその場で開封して中味をチェック。必要なければ自分の住所がわかる箇所にセキュリティスタンプを押し、即ゴミ箱へ。チラシも必要ないものはその場で一緒に破棄する。時間にしてわずか数十秒ですが、これだけで玄関がすっきりします。
リビングなどに持ち込んでしまうと、座ってゆっくり目を通すため時間がかかるうえに、必要なかったものまで「買おうかな」と考えてしまうことがあり、財布のひもが緩みがちに。1つ気をつけたいのが、必要ないDMはすべて送付を止めること。もっといえば、商品などを購入する際、DM送付OKにチェックが入っていないか確認し、DMを受け取らないことも大切です。
毎回受け取っても「捨てるだけ」とはいえ、そこには「確認する」「ゴミ箱に捨てる」という時間がかかっています。必要ないものは受け取らない。これだけで手間も時間も節約でき、部屋の中を常にきれいにたもつことにもつながるのです。
部屋の片付けや、家具や家電のメンテナンス、要らないメールの配信は止めて削除するなどの作業は、「毎週日曜日、または毎月第一日曜日にやる」など、日付を決めて定期的に行いましょう。その際にスマホのカレンダー機能を使い「通知を繰り返す」としておくと、忘れずに取り組むことができます。このような日常生活ですぐやる習慣を身につけながら、仕事に関しても一緒に試してもらいたいのが次の方法です。
仕事の“後回し”がなくなるポモドーロ・テクニック
「仕事に集中しなければいけない」とわかっているのに、なかなか集中できない。そんなときに活用したいのが「ポモドーロ・テクニック」。この「ポモドーロ・テクニック」とは、25分を1コマとしてその間の集中力を圧倒的に高める方法です。
やり方は簡単。25分たったら5分間休憩を取る。また25分動いて5分休憩を取る。これを4回繰り返します。2時間経ったら、15~30分休憩する。ここで活躍するのがストップウオッチ。タイマーをセットし、スタートした瞬間から1秒ごとに残り時間が少なくなっていきます。集中力が途切れそうな時、残り時間を目にすると、仕事への集中力が再び高まり、終了予定時刻まで頑張れるのです。
「手元にストップウォッチがない」人は、スマホやキッチンタイマーを活用するのもいいでしょう。ただし、スマホを使う場合は、SNSなどすべての通知をオフにしておくこと。オンにしたままだと通知の内容に目が行き、集中力が途切れる原因になります。
「今から2時間集中してやろう!」と思っても、人間の集中力はそう長くは続きません。意志に頼るよりも効果的なテクニックに頼る。「ポモドーロ・テクニック」を使うことで、集中力を最大化したまま保つことができるのです。25分達成できたら、そのつど「よくやった」「目標を達成できた」と自分で自分をほめてあげるのもお忘れなく! 次へのモチベーションにつながりますよ。
「いつも直前に始める」エンジニアが「すぐやる」人になったきっかけ
ここで、ある一人のエンジニアについてのお話を紹介します。そのエンジニアは典型的な「仕事に追われる人」でした。3か月先に納品する仕事を受けるものの「3か月もあれば大丈夫」と思い、最初の2か月はまったく着手しない。残り1か月を切ってからようやくスタートするという感じでした。ところが、いざ始めてみると記憶があいまいで、不明点も出てきます。とはいえ、もうすでに2か月もたっているため、先方に確認しづらい。「たぶんこれで大丈夫だろう」と、自己判断で進めてしまっていたのです。
なんとか納期には間に合ったものの、先方の意図していた内容との間にズレがあり、何度も修正をすることに。その結果、次の仕事に影響が出て、典型的な「仕事が遅い人」のサイクルになってしまっていたのです。けれどもあるとき、ふとした瞬間に「とりあえず始める」ことを試してみたところ、思ったよりも作業がはかどり、メリットが大きいことに気づいたと言います。
たとえば、打ち合わせ後すぐに取り組んだことで、疑問点などが出てきたら、そのつど先方に確認し、解決できたと言います。また、その際に先方からより詳しく話をきくことができ、じつは相手のニーズが最初の説明とは少し異なることも判明。そのため、より相手に合わせた提案をすることができました。
これまで修正が多かったのは、実は先方との間に認識のズレがあり、それに気づかないまま納品してしまっていたため、修正が多くなっていたのです。今回はそれがなかったため、修正もほぼ入らず、お互いにとってより良い仕事ができたと言います。
スマホアプリで“無意識に仕事を始める習慣”を身につける!
「仕事を受けた早い段階で、とりあえず少しだけ動いて弾みをつけよう」。そう思っていても、なかなか行動に結びつかないこともあります。そんなときは「習慣化アプリでスイッチを入れる」方法を試してみてはいかがでしょうか。
たとえば、私が以前使っていた有料アプリに「Fabulous (ファビュラス)」があります。これはアメリカのデューク大学の研究室(行動経済研究所)で開発されたアプリで、まず初めに、起きたらグラス1杯の水を飲むことを勧められます。睡眠中に体の水分が失われるため、朝起きて水を飲み、喉を潤すことで胃腸の働きが活発になります。
次に素晴らしい朝食(Great Breakfast)を食べること、5分間程度の軽いエクササイズ(運動)をすることを勧められます。朝コップ一杯の水を飲み、おいしい食事をとり、エクササイズをする。この一連の流れの後に「仕事」を追加するのです。習慣化することで、朝から最高な気分で仕事のスタートを切ることができます。
仕事は追われるとつらくなるもの。しかし、仕事を追う側になったとたん、今までと見える景色が180度変わり、面白くなってきます。「面倒だな」と思う仕事をするとき、「とりあえずやってみる」ということからスタートしてみましょう。その際に、「ポモドーロ・テクニック」などを使って集中力を高めることで予定よりも早く終わり、気づいたら「すぐやる人」になれるでしょう。
文/川嵜昌子
マネジメントコンサルタント。長崎市生まれ。東京のベンチャー企業の創業期メンバーとして立ち上げに携わり、自社の急成長、東証一部上場という経験を得た後、独立。5000社以上の経営者に取材およびコンサルティングを行なう。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会参事。著書『自分をサクサク動かすセルフマネジメント』他。
からの記事と詳細 ( 「面倒だから後回し」がなくなる!怠け者でも仕事を前に進められるようになる方法| - @DIME )
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