スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、北京オリンピック(五輪)フィギュアスケート女子ROC(ロシア・オリンピック委員会)代表のカミラ・ワリエワ(15)が昨年末のドーピング検査で陽性反応を示していた問題で、北京五輪の個人戦出場を認める裁定を下した。
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全世界のアスリートが、同じ場所に集い、同じ条件やルールの下で競い合う。そんな根幹が崩れる今回の決定だった。ワリエワが昨年12月のドーピング検査で陽性反応を示しながらも、五輪の個人戦に出場できる最大の要因は15歳という年齢だ。裏を返せば、仮に16歳以上の競技者が同じことをした場合、違った判断が下されていたことになる。
フィギュアスケート界は7月1日がシーズンの始まりで、その時点で15歳以上であれば、ジュニアから五輪出場が可能なシニアへ上がることができる。ロシア勢は18年平昌五輪金メダルのザギトワ、今回のワリエワらが、転向1季目から活躍してきた。日本のフィギュア関係者からは「15歳は要保護で、16歳からは違う。それなら根本的に出場資格を16歳以上に変更すべきでは」という声も聞いた。私もその考えに同意する。
今大会はワリエワが頭ひとつ抜けた存在で「ドーピングがなくても金メダル」「本人の意思ではないはず。周りの責任」という意見もある。だが、競技は同じ条件で行われなければ、本来の価値は生まれない。今回の件の徹底的な調査はもちろん、今後は不公平のない競技の環境を用意し、違反には厳正に対処することが求められる。【フィギュアスケート担当=松本航】
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