ミスをするのは能力が低いから?
「発注したつもりが実際は発注しておらず、商品が欠品した」
「指さし確認をしたにもかかわらず、誤った状態のまま作業が進んでしまった」
「顧客データの入った書類を紛失した」
ちょっとしたミスが大きな事故につながる、顧客からの信頼を失うことになる。経営者、管理職、リーダーであれば身に染みてご存じのことでしょう。
ましてや今はSNSで瞬時に情報が拡散する時代。1つのミスに起因する事故が、組織の根幹を揺るがすことになりかねません。
そして、経営層やリーダーはよくこうおっしゃるのです。
「うちの会社は優秀なやつが少ないから、ミスが多いんだ」
「ミスをしない『できる人材』が来てくれたら、うれしいんだけど」
ミスや事故が発生するしないは、一人ひとりの能力・性格・心構えの問題だという見方です。
その見方に立って、
「ミスをしてはいけない。ミスをするとこんな大変なことになる」
「事故を起こさないためには、こんな心構えでいなければならない」
と部下に意識を徹底するよう諭します。
しかし、相手の心構えや姿勢、意識に訴えかける「内面にフォーカスするマネジメント」は、「ミス・事故を無くすマネジメント」ということはできません。
これは、私が推奨する「組織行動セーフティマネジメント=BBS(Behavior Based Safety)」の考え方です。
組織行動セーフティマネジメントとは、行動分析学をベースとした行動科学マネジメントに基づく危機管理(リスクマネジメント)の手法で、「いつ・誰が・誰に対して・どこでやっても」同じような効果が出る、高い再現性が認められるものです。
人間は「メリットのある行動」を選択する
なぜ注意をしても、マニュアルがあってもミスが生まれるか。
その理由は、「人間の行動原理」にあります。
[人間の行動原理]
人間は「結果にメリットのある行動」を選択する。
「正しいやり方」を指導されても、マニュアルやチェックリストが存在してもミスが無くならず、組織が危険をはらみ続けるのは、人間のこうした行動原理がそれらに勝るからにほかなりません。
これをよく理解した上で、ミスや事故を無くす方法を考えなくては、ミスや事故が無くなることは決してないのです。
・マネジャーやリーダーがフォーカスすべきなのは人間の行動原理であり、そこから発生する具体的な「行動」。
・ミスや事故を防止するために、相手の「行動」をコントロールする必要がある。
そのためにまず知っておかなければならないのが、相手の行動の背景にあるもの、すなわちミスが生まれる背景です。
からの記事と詳細 ( 「不注意だからミスが起きる」というのは大きな誤解 - 日経ビジネスオンライン )
https://ift.tt/0tzV8vr
No comments:
Post a Comment