ウクライナに対するロシアの侵攻が続き、ウクライナ各地で激しい戦闘が繰り広げられている。ロシアとウクライナが鋭く対立する背景には、どのような要因があるのか。元駐ウクライナ大使で、ウクライナ史に詳しい黒川祐次さん(77)に両国の歴史、国民性などを含め解説してもらった。【聞き手・後藤豪】
プーチン氏の判断「話にならない」
――なぜロシアのプーチン大統領は、ウクライナに対する全面侵攻に踏み切ったのでしょうか。
◆プーチン氏だからこそだと思います。ゴルバチョフ(元ソ連大統領)もこんなことはやらないだろうし、エリツィン(元ロシア大統領)もしなかったでしょう。ロシアとウクライナが共存する方法はいくらでもあるんですよ。そうした平和的な手法をとらず、(2014年にウクライナ領の)クリミアを一方的に併合したり、今回のように軍隊を使って攻め込んだりというのは話にならない。
――プーチン氏はウクライナのゼレンスキー政権を「ネオナチ」と呼んで批判しています。
◆バンデラというかつてのウクライナの民族主義者を意識しているのでしょう。バンデラは第二次世界大戦時、スターリン時代のソ連から別れたくて、ナチス・ドイツの力を利用しました。インドの独立運動家チャンドラ・ボースが大戦中、イギリスから独立するため日本の力を借りようとしたのと同じ構図です。
では、バンデラやチャンドラ・ボースが、ナチズムと同じ思想を持っていたかといえば、そんなことはない。しかし、プーチン氏は、バンデラがナチスと組んだことを宣伝材料として、ありとあらゆることに「ネオナチ」というレッテルを貼ってゼレンスキー政権を攻撃しているのです。
――論理のすり替え。
◆はい。そもそもロシアとウクライナでは…
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