▲北村友一騎手が経験した地獄の11日間が明らかに(撮影:桂伸也)
11日の中京競馬場で、1年1か月ぶりの実戦復帰をはたした北村友一騎手。当日はたくさんのファンに温かく迎えられ、「感謝しかありません」とそのありがたみをかみしめました。
さて今回は、長期離脱中の北村騎手のメンタルがテーマです。「心が折れている暇なんかなかった」「流れがいいときのケガだったからこそ」と、北村騎手の口からは意外なほどにポジティブな言葉の数々が。大怪我でもすぐに前を向いた、北村騎手の心の持ちように迫ります。
(取材・構成=不破由妃子)
ワンチャン、無傷の可能性を狙ってみた
──昨年末、クロノジェネシスのラストランに合わせて取材をさせていただきましたが、そのときに今回のケガを振り返って、「心が折れている暇なんかなかった」とおっしゃっていて。強いなぁと思った覚えがあります。
北村 今回はケガをした瞬間から、復帰してからのことをすごく考えていました。「(流れが)いいときにケガをする」と言われることが多くて、確かにその通りなんですけど、いいときにケガをしているからこそ、戻る意欲が湧き出るというか。これがもし、悪いときにケガをしたとしたら…。
佑介 気持ち的に萎えるよな。
北村 はい。復帰する意欲やモチベーションが高まってこないと思います。今回も海外遠征などいろいろと経験させてもらった直後のケガだったので、復帰したらもっとこうしたいとか、ああしたいとか、やりたいことがたくさんあった。だから、前向きにリハビリに取り組めたような気がします。
──とはいえ、まったく動けない時間というのも長かったんですよね。
北村 本当に1ミリも動けなかったのは11日間です。かろうじて左手だけほんの少し動いたんですけど、もちろん寝返りも打てないし、首も動かないので、その間はずーっと天井を見ているしかなくて。
佑介 その状態が11日間か…。地獄やな。
北村 ご飯もね、その状態のまま
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