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Friday, June 10, 2022

ダイエット中だからガマン!? 多種多様な「糖」と上手に付きあって、健康な食生活を!(佐藤 成美) - 現代ビジネス

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糖というと、スイーツなどの甘いお菓子や、ガッツリ系に不可欠な炭水化物をイメージしがちで、ダイエット中の方にとっては、とりあえず、まず「控えるべきもの」のように感じます。

しかし、実は糖にもいろいろな種類、側面があります。また、糖がもたらす「甘味」は、食生活を彩り、私たちを元気にする味覚と言えます。

正しく「糖」を理解して、上手に付き合って、健康な食生活に生かしてみませんか?

一口に「糖」と言っても、いろいろ

糖というと砂糖のように甘くてべたべたしたものや「カロリーが高い」「太る」といったことをイメージしがちです。実際には糖は私たちにとってたいへん重要な栄養素です。また、糖の種類は多く、すべてが甘いわけでも、エネルギー源なわけでもありません。

糖は別名、炭素に水素がついたことを意味する「炭水化物」ですが、生化学などの分野では糖のほうをよく使います。また、栄養学などの分野では、糖のうちエネルギー源になるものを「糖質」それ以外を「食物繊維」と区別することもあります。

糖の基本となるのが、ブドウ糖と呼ばれるグルコースや、果糖(フルクトース)、ガラクトースなどです。多くの糖はこれらが結合してできています。砂糖の主成分であるショ糖(スクロース)はブドウ糖と果糖が結合したもの、デンプンやグリコーゲン、セルロースは多くのブドウ糖が結合したもので、多糖類と呼ばれます。

【図】糖の種類糖の種類(『本当に役立つ栄養学』より)

そのほか、牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)、カニやエビの殻に含まれるキチン、動物の関節に含まれるヒアルロン酸、寒天(アガロース)やこんにゃくのマンナンも糖に分類されます。

体の中でどう働いているか

栄養素として摂取した糖の大部分は、種々の代謝経路を経て、血糖(血液中のブドウ糖)となり、細胞に送られます。多くの細胞、特に脳の細胞はブドウ糖を重要なエネルギー源にしているため、糖の供給量が減ると活動が鈍くなります。そのため、血糖値は低下しないよう、常に一定に保たれています。

たとえばご飯を食べたとき、その主成分のデンプンは、消化されブドウ糖になって小腸で吸収され、血糖になります。

血糖は細胞にとりこまれ、二酸化炭素と水になり、大量のATP(アデノシン三リン酸)ができます。ATPによるエネルギーを筋肉の収縮やタンパク質の合成など生命活動に利用しているのです。

なんと! 食物繊維も糖だった

ただ同じ糖類でも、どれもブドウ糖からできているにもかかわらず、デンプンやグリコーゲンはエネルギー源になり、セルロースはエネルギー源にはならないという違いがあります。それはブドウ糖の結合の仕方が異なるからです。私たちの体内には、デンプンやグリコーゲンを分解する酵素がありますが、セルロースを分解する酵素がないのです。

セルロースのような、分解できない糖が食物繊維と呼ばれます。

ちなみに、「トクホ」の略称ですっかりおなじみになった「特定保健用食品」ですが、その中でも最も数が多いのは「おなかの調子を整える食品」で、認められている成分の多くは食物繊維です。

「繊維」というので、ホウレンソウやゴボウのスジ状の部分をイメージしがちですが、実はネバネバするものからサラサラと水に溶けるものまで多くの種類があります。食物繊維については、健康と食の観点から、気になる方も多いと思うので、改めて別の機会にご説明したいと思います。

糖の甘さはどこから来るのか

さて、一般にイメージされる糖の特徴としては「甘味」だと思いますが、その甘味はどこから来るのでしょうか?

砂糖の主要な甘味成分ショ糖は、サトウキビやてんさいなどの植物に多く含まれるほか、果物や野菜にも含まれます。天然の甘味料の中では甘味が強く、一定であるという特徴をもちます。

このショ糖の甘味を1とすると、ブドウ糖は約0.6、麦汁に含まれる麦芽糖は約0.4、牛乳に含まれる乳糖は0.2でいずれもショ糖に比べると甘味は弱いです。

一方、果糖は1.2〜1.7でショ糖より甘味が強く、すっきりした切れのよい甘味が特徴です。

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