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Saturday, August 13, 2022

「僕はまだ、“的”に届きます。 だからこの歌は僕には絶対作れない」と岡本さんが評したのはどんな短歌?「的」って何?|僕の不幸を短歌にしてみました(エッセイつき)|岡本雄矢 - 幻冬舎plus

kokselama.blogspot.com

「あなたの不幸を、短歌にして成仏させましょう!【あなたの不幸短歌募集】」という企画にご応募くださったみなさん、どうもありがとうございました!

送りくださった短歌を、岡本さんが評しました。夏休み企画、数週間ほど続きます。お楽しみください。

*   *   *

【詠み人 品田一郎さん】

 

狙へども届かず老ひの寂しけれ生徒便所の小便器の的  

【評】

児童生徒の悩みを聞くことを生業としている著者さん。

勤め先の学校の生徒便所の小便器には、その中央部に的(まと)が貼ってあるとのこと。

女性の方には馴染みが薄いかもしれませんが、男性用小便器の中央には、用を足す時に狙いを定めるため、的やハエなどが書いてあることがあるんです。

え? ハエ? と思いましたか? そうです! あのハエです!

これは、そこを狙って用を足そうとするんだけど、勢いが足りず、的に届かないという歌。

老いの悲しみが、ストレートに伝わってくるのがいいなー。

ありがたいことに、僕はまだ、的に届きます。

だから、この歌は僕には絶対作れないんですよね。

誰でも作れる歌じゃないってのが、この歌のすごいところ。

いつか僕も、的に届かなくなる時がくるんでしょうね。

その時に、この歌に100%共感できるんだろうな。

その時は品田さんと頷き合いたいので、是非長生きしてください!

(写真:iStock.com/mputsylo)

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