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Thursday, May 14, 2020

きょう日本復帰48年 沖縄の変わった事、変わらなかった事 - 沖縄タイムス

 「平和憲法の下に帰る」と県民が期待した1972年の日本復帰から15日で48年となる。今もなお、沖縄には全国の米軍専用施設の7割が集中し、事件事故が相次ぐ。米軍に国内法が原則適用されない日米地位協定により、主権が及ばない状況に直面し続けている。県経済をけん引してきた観光業は、2018年度に入域客数1千万人を達成するなど順調に拡大。雇用情勢も改善を続けてきた。一方、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、観光客の急減など、県経済にも深刻な影響を与えている。

風が吹き泡消火剤が舞う中、消火剤除去のために放水する消防隊員(左奥)=4月11日、宜野湾市・宇地泊川

風が吹き泡消火剤が舞う中、消火剤除去のために放水する消防隊員(左奥)=4月11日、宜野湾市・宇地泊川

内閣府の沖縄関係予算の推移

内閣府の沖縄関係予算の推移

入域観光客数の推移

入域観光客数の推移

完全失業率・有効求人倍率の推移

完全失業率・有効求人倍率の推移

米軍基地 事件・事故を誘発

 県によると、復帰後に発生した米軍航空機の事故は811件(2019年末時点)。近年では東村高江の民間牧草地にCH53Eヘリコプターが墜落。米軍は現場で県側の立ち入りを制限し、軍事機密性が高い機体や土壌を持ち去った。

 航空機以外の事故も多発している。今年に入り、米軍普天間飛行場から有害性が指摘されている有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)を含む泡消火剤が民間地に大量に漏出した。

 国内法では通常、「原因者」の責任で回収するが、日米地位協定には規定がない。米軍は回収作業に当たらず、被害を受けた地元の宜野湾市消防が作業に当たらざるを得なかった。

 米軍人・軍属などによる刑法犯は復帰後6029件(同)。16年にうるま市で発生した元米軍属による暴行殺害事件など、凶悪犯は580件に上る。

 県は「広大な米軍基地があるがゆえに、長年にわたり事件・事故が繰り返されている」と指摘している。

 国は16年に北部訓練場の過半約4千ヘクタールを返還し「沖縄の本土復帰後、最大の返還」(安倍晋三首相)と成果を誇示したが、東村高江に代わりのヘリパッドが建設されるなど、多くの返還で県内移設を伴い、沖縄に負担が集中している。

 普天間飛行場返還の条件とされ、県民の多くが反対する名護市辺野古新基地建設も、4月県に変更申請を提出するなど強行している。

予算 市町村への直接分配増える

 沖縄の日本復帰に際し、本土との格差是正や自立的発展のため、政府は沖縄開発庁(現内閣府沖縄担当部局)を設置し、各省庁の予算を一元化した。内閣府によると、復帰後から2019年度までに当初予算で、沖縄関係予算は約13兆1千億円投じられている。

 予算額は大田昌秀県政の94年度にピークの3524億円に達した。その後、2000年代は全国的な財政縮小で減少傾向が続き、10年度には2298億円まで下がった。

 民主党政権の12年度に、沖縄振興計画の策定主体が国から県に代わり、県民が望む30年の沖縄の将来像を描いた「沖縄21世紀ビジョン」の実現に向けて、新たな振計が開始。使途の自由度が高い沖縄振興推進交付金(一括交付金)が導入された。

 仲井真弘多知事が、名護市辺野古の新基地建設に必要な埋め立て申請を承認した13年度に04年度以来9年ぶりに3千億円台となったが、新基地建設に反対する翁長雄志知事の就任後は減少傾向に。18年度から20年度まで、3年連続で3010億円となった。

 20年度の一括交付金は、1014億円と制度導入以来最も低い額となった。一方で、19年度に新設され県を通さずに国が直接、市町村に分配する「沖縄振興特定事業推進費」は55億円と、前年度より25億円増額した。県に裁量権がある一括交付金が減り、特定事業推進費が増えることで、国がコントロールを強める懸念がある。

好調だった観光が一転 コロナで打撃

 復帰後順調に増加してきた入域観光客数は、2018年度に1千万人を達成した。ただ、19年度は首里城焼失、日韓関係の悪化などマイナス要因が相次いだ。追い打ちをかけるように新型コロナウイルスが拡大。結果、19年度の入域観光客数は前年度比5・3%(53万5100人)減の946万9200人と、海洋博翌年の1976年に次ぐ記録的な下げ幅となった。

 近年の観光客の大幅増加の背景には、アジア圏の経済成長に伴う旅行需要の拡大や格安航空会社(LCC)の路線拡充、クルーズ船の寄港回数増加がある。

 一方で、観光客全体の消費単価は2018年度7万3374円に対して、クルーズ船外国客は2万8343円と低く、観光収入の増加につながっていない。県民意識調査でも、生活の豊かさにつながっていないと考える人が多い。着工から約6年かけて完成した那覇空港第2滑走路も、新規路線が就航していない。

 路線開拓を含め、観光立県としての課題は多い。ただ、観光産業は復帰後、海洋博ショックや米同時多発テロ、東日本大震災など多くの危機を乗り越えてきた。山積する課題を解決しつつ競争力強化に磨きをかけるチャンスでもある。

観光がけん引した雇用 失業率最低

 2019年の完全失業率は2・7%で、前年の3・4%を0・7ポイント下回り、1972年の復帰以降、過去最低を更新した。県内の雇用情勢は、好調な観光業にけん引される形で過去10年間、改善の一途をたどってきた。一方で、3月に入り、新型コロナウイルスの感染が拡大したことを受けて観光客が激減。消費は冷え込み、ホテルやお土産品店、飲食業などが休業に追い込まれるなど、経済活動は急激に落ち込んでいる。

 県内有効求人倍率の2019年度平均は1・16倍で前年度より0・02ポイント低下した。前年度より低下したのは、リーマンショック時の09年度以来。新たに求人を受け付ける新規求人数も12万4764人で、前年度と比べて0・4%減(543人減)と10年ぶりに減少した。希望退職の募集や解雇、雇い止めも始まっており、今後、さらに雇用情勢が悪化する可能性がある。

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May 15, 2020 at 07:50AM
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