こうしてできた森が縄文時代から日本人の生活を支え、農耕を行う以前から定住生活を始めるという、世界の多くの地域とは違う暮らし方を生み出したということです。それは住居のまわりの森がもたらす様々な資源を活用する生活。食料となる動植物や木の実、家を作ったり薪となる木材、衣服を作るための材料となる植物繊維など、あらゆる生活必需品が森から得られるようになると、移動することなく定住を始められたのです。
人々は森を、四季を通じて生活の糧を得る場所とするために、枝をはらって陽ざしを通し、下草を刈って植物の生育を妨げないように、手入れをするようになりました。農耕が始まると田んぼでの稲作、畑の作物で人々は食料を確保するすべを手にいれますが、森はより豊かな文化をはぐくむための恵みを得る場所となったのです。
住民が快適な生活をおくるために整備した場所は、さらに多くの生き物たちにも心地よい環境を提供することになりました。人々と生き物がともに生きる土地、それが「里山」です。地域ごとの環境を活かしてそれぞれに作られていった「里山」は、その土地に生きる人々にとっての「ふるさと」となっていったのです。長い時間をかけて大切に守り育てた森ゆえに、人々を癒す豊かな力があるのはうなずけます。
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