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Saturday, August 1, 2020

最終回 地球規模の問題を自分ごとに捉えるSDGs特別コラムPart3 | ホテル・レストラン・ウエディング業界ニュース - 週刊ホテルレストラン(株式会社オータパブリケイションズ)

Part3
 
本コラムは全4回、まずプロローグでSDGsの内容を、Part1では企業全体として取り組む理由や必要性、実際に企業として取り組んでいる実例を取り上げ、Part2ではホテル/レストランとして取り組めるSDGsと食やエネルギーの循環する仕組みについて、実例をあげたが理解いただけただろうか。

今回いよいよ最終回のPart3としては「個人でもできるSDGs」として、ひとりひとりが自分事として捉え、日常の生活の中でどのように意識し、行動していくのかを考えていきたい。
 
プロローグでも説明した通りSDGsは2015年9月に国連サミットで採決された、国連加盟193ヵ国が達成を目指す2016年から2030年までの国際目標だ。
 
日本は国連加盟国として、国が先導し企業へ取り組みを促し、学校教育の中や市民学校など様々な場所で環境について学ぶ機会を作り、コミュニティーレベルでSDGsの取り組みを支援する動きが活発になり、認知度が増えるように施策が取られてきている。

例えば、バスの車体に環境問題をイメージした絵をラッピングしたり、電車の中に広告が貼られたり、女性雑誌でも特集を組まれたりして、ここ最近やっと「SDGsという言葉を聞いたことがある」もしくは「ポスターを見た事がある」など、個人のレベルでも認知が少しずつ広まってきたと感じている。

しかし、「国連」が採択し、「国」として「企業」へ取り組みを促し、「社会やコミュニティー」へ。という事はわかっていても、「個人」として「自分が」というように捉えるにはまだ少し遠いイメージがあるかと思う。SDGsの共通理念である「誰一人取り残さない」というのは、私たち一人ひとりが意識し行動することを求めているのだが、この地球上の誰一人として「無縁な人はいない」のだと言われているにも関わらず、自分事として考えにくい、感じられない人もいるのは自分の生活・日常に落とし込めていないのが原因だろう。

では、こう考えてみたらどうだろうか?

『この地球に住んでいる「私」の意識と行動を変えれば「地球」が美しくなり、私たちの子供の未来が変わる』

私たちはこの地球という家に住んでいるひとりの住人であり、地球から生きるための食べ物や空気や水をいただいている。毎日の生活はこの地球があってこそ成り立ち、地球がその生命活動をストップすれば、たちまち私たちは生きていく事ができなくなる。地球上の国や、その中の企業や社会やコミュニティー、そして家族は、地球の限られた資源と自然とその自然から創られた水と空気を分かち合って生きている。
 
今、その地球の資源や海や森や、あらゆるものが枯渇し消えていく岐路にいる、としたらどう思うか?

地球上のすべての人がこのままの生活を継続していくためには「2.5個」の地球が必要と言われている。今のままを維持するだけでは、地球がなくなる。それが現実なのだ。

そこまでいうならば、このまま現状の地球を維持し少しでも長く保つためには、改善していくためにはどうしたら良いのか?私たちが「自分事」としてできる事は何なのか?
 
今年7月から実施が始まったレジ袋有料化や、コンビニのアイスコーヒーのストローを使わなくても飲める蓋や紙コップ化、お洒落で機能性の高いエコバックの宣伝や、レジ脇の販売などで、プラスチックごみを減らし「環境」に配慮する意識を高め体感することが増えた事で、変化に気づきだした人も少なくない。

日常で言えば、節水や節電「目標6・目標7」ゴミの分別や少量化、プラスチックゴミを減らし、買い物にはエコバックを持って「目標12・目標14」、野菜や食材は使い切る「目標2」、できるだけ無農薬や低農薬の野菜や米を選び「目標15」、意識的に環境に良さそう・身体に良さそうなものを知っていく「目標3」から始めていくという事も大切だ。

これくらいできるだろう? 我らの自宅である、地球を保つために今動き出そう。

まずは、「自分の意識を変える」

国、企業も含め地球全体として考えても、実は「個人」である一人ひとりで成り立っている。
一人ひとりの「個人」が居なければ、社会も企業も国も成り立たないという事を知ると、私たち「個人」の意識や行動がとても重要で「自分が変われば変わるし、自分が変わらなければ変わらない」という事になり、その力は想像以上に大きいという事が分かる。
 
個人の学び、選択、実践で世に影響を与え、変える力がある

私たちが生きて暮らしている毎日が、その時代の価値観を創り、その集合がこれからの文化を創る。
前回のPart2で企業にとって一番大切なのは「選択すること」と述べたが、個人でも一番大切なのは、やはり「選択する」ことなのだ。

  1. 何を学び
  2. 何を選択し
  3. 何を実践(行動)するか

私たちは毎日の生活の中で、買うもの・食べるもの・使うものを選択することができる。
使う、買う側としてどんな企業を選び、どんな製品を買うのか?を考え選ぶこと。目の前の「物」だけではなく、その背景にある「事」を知っていく事も必要だ。

今、世界の選択肢は大きく変わってきている。
より環境に配慮し、人の身体を思い、心豊かな日常を創造し、文化を創造していく事ができる企業を選択している。
 
過去2回で実例に挙げた企業の、ときまたぎあがらとをサンプルとして見てみよう。
彼らの目指す未来は、『「文化融合からくる新たな文化」が当たり前に生まれる世界』だと述べていた。

私たち個人が、そのような企業を知り、その企業の製品を選択し、繋がる事で「自分事」としてその一部に参画し実行することもできる。受け身だけではない、反対に、自分たちが働いている企業がどんな企業で何をしているのか?を、SDGsの理念を元に、地球規模の視点で、改善や変革の為の提案をしてみてはどうだろうか?

これは17項目のほとんどの目標に該当する事になり、永続的な企業や社会への第一歩となるきっかけになるかもしれない。この視点を元に、家族や企業や社会や国を、そして地球を「自分が変えていく」という意識をほんの少し持つだけで、大きく未来を変えていく事ができるという事をしっかりと認識していきたい。

今回、このコラムでは、プロローグから始まりPART3までSDGsについて、共に学び共に行動すべく実践する事を目的に連載してきた。これは、近い未来に「進めていきたい」という希望ではなく「進める」という実現の必要性を伝えるものだ。今後は、実際に行動していく為の啓蒙の一環として、SDGsセミナーを始め、あらゆる学びの場を提供していきたいと思う。

義田真平
yoshida@ohtapub.co.jp


【本コラムは4部構成です】 
・プロローグ 
・Part1  なぜSDGsが必要なのか
・Part2  ホテル/レストランが取り組めるSDGs
・Part3  個人でもできるSDGs(今回)

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